男性のビジネスマンで、普段から仕事着としてYシャツを着ているという方は多いです。気温が高かったり、時間が無くて走り回っていたりして『暑いな』と感じた場合、つい長袖のYシャツの袖をまくるという方は少なくないでしょう。でもそんなシャツの腕まくりにもマナーがあるのはご存知でしたか?なにげなく無意識に腕まくりをしていた事で、思いもよらないピンチに陥ってしまう事があります。
特にビジネスシーンであれば取引先との関係性や商談の失敗など大きな損失にも発展しかねません。ここでは多くのビジネスマンが知らない腕まくりのマナー、そして腕まくりをしてもいい環境でならば楽しむ事の出来る、おしゃれな腕まくり方法などを紹介していきます。これであなたも周りの女性に「デキる男」として見せて、ビジネスマンとしてさらにレベルアップしていきましょう。
ビジネスの場での腕まくりマナーについて
まずは社会人の皆さんが一番気になるであろう「ビジネスシーン」での腕まくりマナーについてご紹介していきましょう。シーンによって、話す相手も自分の立場も変わる事になるわけなので、状況に応じてしっかりと理解しておく必要があります。
取引先のお客様に合う場合
ビジネスマンの中でも特に営業職の人は、日々の業務の中で取引先のお客様と顔を合わす事も多いです。そんな時にあなたがシャツを腕まくりしていたら取引先の相手はどう思うでしょう?
まず少なくとも「涼しそうだな」や「ワイルドに着こなして格好いいな」とは思わないはずです。だらしなさを感じてしまい、取引先として信用していいのか?という感情を持たれてしまう可能性が高く、あなただけではなく、あなたの会社自体の顔に泥を塗ってしまう事に繋がりかねません。
相手がいてこそのマナーになります。決して自分本位の考えにならず、取引先の方がこの服装を見たらどう思うだろう?という意識をまずは持って身だしなみを整えるようにしましょう。これは大事な商談の場だけというわけではなく、自社のお客様にお会いする場合全てに共通して言える事になります。
社内での場合(オフィス・会議)
こちらに関しては会社の環境や風土によって柔軟に合わせる形で問題ないと思います。普段、取引先の会社に往訪して重要な商談を重ねている営業マンにとっては、社内での仕事は真面目に取り組みつつも比較的リラックスして仕事をしたいものです。効率的に仕事ができるのであれば、オフィスで腕まくりをしても許されるでしょう。
しかしオフィスであっても注意が必要なシーンとしては会議の場です。会議にはあなたの直属の上司だけでなく、社長や会社の重役なども多数参加する事もあります。そんな時にあなたがシャツを腕まくりしていた事で、社長から「あいつはだらしないな」と思われてしまい、評価を下げられてしまう事にもなりかねません。同じ社内であってもTPOを意識して身だしなみを整えていきましょう。
就職活動中の場合
就職活動中は例え真夏であっても、男性も女性もファッションとしては黒か紺のスーツを着込み、ジャケットも必須になります。クールビズとは無縁の環境で、しっかりと自分をアピールできるような面接に臨まなくてはなりません。一般常識的に考えても面接本番でのシャツの腕まくりは当然ながらNGです。(きっと開始1分で面接終了となるでしょう。)
しかしながら面接会場までの移動中などに関しては、多少リラックスする必要はあるため、面接会場少し前に身だしなみを整える事ができるのであれば、腕まくりはしても問題無いでしょう。ただし、腕まくりをした事でシャツがヨレヨレになり、ジャケットを羽織ってもシャツのシワが目立つ状態になってはいけません。あくまでも面接本番に、ベストな状態で臨めるかが重要になります。
女性のビジネスファッションでの腕まくりの場合
腕まくりは主に「リラックスしたい時」「暑い時」にする事が多く、それは男女共通です。現代では、女性が職場で着る服装が比較的自由(一般常識の範囲内で)である企業が多いのに対し、男性のビジネススタイルがピシッとしたスーツ着用が多い為、「腕まくり」となると男性の方が強いイメージを持たれる方は多いでしょう。しかし女性も男性同様、TPOを意識した身だしなみをしておかないと、相手からの印象を非常に悪くしてしまいます。
ビジネスシーンでも腕まくりが許されるケース
反対に腕まくりをしても良いケースもあります。先程もお伝えしたように、ビジネスシーンはTPOが大事になります。取引先の方が「暑いから腕まくりしてリラックスしていいよ」と言ってくれているのであれば、そこはお言葉に甘えて腕まくりをさせてもらいましょう。もしかしたらそれによって頭が冴え、商談がうまくいくかもしれません。
日常生活でも注意が必要な腕まくりマナー
ではプライベートな時間である日常生活でも同様のマナーはあるのでしょうか。ここからは日常生活で注意したい、腕まくりのマナーをご紹介していきます。
食事中での場合
外食を楽しむシーンにおいての食事中の腕まくりに関しては、「そのお店が腕まくりをして食事をしても問題なさそうな店かどうか」で判断すると良いでしょう。お店といっても高級なレストランから、定食屋・ファストフード店・居酒屋など多種多様なジャンルが存在します。シャツの腕まくり厳禁の大衆居酒屋なんて聞いた事がありませんし、七輪で焼肉を焼いている際に、長袖のシャツに火が燃え移ってしまったら逆に大惨事となってしまいます。
その一方で、高級なレストランや結婚式などでも利用されるような高級ホテルでのディナーなどの場合、場所によっては「ジャケット着用が必須」という所も少なくありません。そんなお店であれば、やはり多少暑いからといっても腕まくりをする事はできないでしょう。
そういったお店は、ホームページに「入店の際の服装マナー」という形で記載されていたりするので、心配な時は事前に確認しておくといいでしょう。もちろんお店に直接電話などで問い合わせしてみてもいいかもしれません。
ゴルフをする場合
ゴルフはイギリス発祥のスポーツであり「紳士のスポーツ」とも呼ばれています。プレイ中のマナーももちろんですが、服装・身だしなみに関しても他のスポーツよりもしっかり気を付ける必要があります。ゴルフを趣味とされている人たちは特にそういった点を意識する人が多く、他人を見る目も厳しくなっています。その為、基本的にはゴルフのプレイ中はシャツの腕まくりはしない方が良いでしょう。
それでも腕まくりをしたくなってしまったら
真夏の炎天下、涼しくしたくてどうしても腕まくりがしたくなる時があります。でも状況的にあまり腕まくりが望ましくないシーンだとしたらどうしますか?ここからは、どうしても腕まくりがしたくなってしまった時の対応策をご紹介します。
半袖を着る
まずは単純な事ですが、一番効果的な「長袖シャツではなく、半袖シャツを着る」という事です。今まで暑くて毎回腕まくりをしていた場合でも半袖シャツを着る事で、腕やワキの部分が露出するわけですので比較的快適になります。腕やワキの部分に風が当たる事で、体内の血液を冷やす=体温を下げる事が出来るため、熱中症にも効果的です。
また、商談の場であれば半袖シャツの上にジャケットを羽織れば十分にフォーマルな装いとなるので、取引先にだらしなく見られる事も無いでしょう。女性の中には冷え症の方も多いので、冷房が当たり過ぎて冷えてしまう場合の対策としてカーディガンのようなものを1枚用意しておけば、より快適に過ごすことができるでしょう。
移動中であればOK
重要な商談・会議・デート中の食事のシーン、「絶対にここはキメないといけない」という場面以外は、許される範囲内であれば腕まくりをしてリラックスをする事は問題ないでしょう。真夏に取引先会社へ向かう移動中でさえも長袖シャツにジャケットを羽織って、汗まみれな状態でお客様と商談していたら、かえって不快な思いをさせる可能性もあります。何よりも汗だくな事で自分自身が不快な気持ちになる事により、大事な商談でミスを犯すような事になってしまったら大変です。
上記でもお伝えしたように、シャツがヨレヨレになるのは防がなくてはいけませんが、身だしなみに気を遣いながらであれば移動中での腕まくりは問題ないです。しかし勤務中の移動に関しては、あなたは「所属する会社の社員」になります。会社の看板を背負っている事も念頭に入れ、あまりにもだらしない恰好をする事は避けなければなりません。
おしゃれに着こなせる!シャツの腕まくり方法
ここからはマナーを守りつつ、おしゃれに着こなしができる腕まくりの方法をいくつかご紹介していきます。あなたの好みはありますでしょうか?
ベーシックロールでの腕まくり
ベーシックロールは基本的な腕まくりの方法になります。あなたが何気なくまくっているやり方は実はベーシックロールな可能性も高いです。まくり方は、
- 手首のボタンを外す
- カフス(袖口)分の長さで、3回分折り返す
- ベーシックロールの出来上がり
以上になります。定番且つシンプルなやり方なので、腕まくりでおしゃれデビューをするのであれば、まずはベーシックロールからがいいです。
ミラノまくりでの腕まくり
ミラノまくりとは、その名の通りイタリア・ミラノの男性がやっている腕まくりの方法になります。ミラノの男性の中でも特におしゃれ志向の強い大人の男性がしているファッションです。まくり方は、
- 手首のボタンを外し、カフスを一気にまくり上げる
- カフスよりも下の袖部分を1回ロールアップ
- カフスを外向きに折り返し、ミラノまくりの出来上がり
以上になります。ベーシックロールの男性が多い中、あなたがミラノまくりをしていればきっとおしゃれで目立つ事が出来るでしょう。
おしゃれに見えない腕まくり
ベーシックロールで腕まくりをする際、袖を折り返しすぎて肘が見える程に短くなってしまうと、まるで中学生の学生服のように子供っぽくなってしまうので注意が必要です。また、同じくベーシックロールで腕まくりをする際、袖を折り返した際の「幅」が太過ぎてしまうとオジサン感が強まる傾向があります。少しでも年齢よりも若く見せたいのであれば、折り返した袖の幅にも気を遣いましょう。
女性におすすめ!おすすめの腕まくりコーデ
シャツの腕まくりは男性のみならず女性にとってもおしゃれに見せるための重要なポイントです。白シャツ、ストライプ柄など、色々なファッションを楽しむ際に腕まくりは大事なアクセントとなります。特に最近では「こなれ感」を作ることがおしゃれにおいて大事と言われています。
こなれ感・・・ファッションに慣れている、頑張っている感が出ていない自然な着こなし
そういったこなれ感を、ただシャツの袖をクルっと捲るだけで作る事が出来るという事で若い女性の間では、「袖クル」というネーミングでおしゃれを楽しんでいます。
大き目の幅で1回折り返す。
さらに2回、内側に向かって折り込む。
袖口を外側に向けて1回折る。
袖クル女子の出来上がり。
女性から見た男性の腕まくりファッションについて
女性は男性の腕まくりファッションをどう思っているのでしょうか?最後に世の中の女性の声をいくつか見てみましょう。男性の皆さんはぜひ参考にしてみてください。
男性の腕まくりが好きです。職場の男性が腕まくりをしていたのですが、かっこよすぎて仕事が手につきません。
普段、ご飯屋さんに行く時はだらしなく腕まくりをしている彼氏ですが、高級レストランに行った際は、ピシっとシャツを着ていて感心しました。ちゃんとマナーがある彼氏で良かったです。
男性のスーツ姿が好きなのですが、長袖のワイシャツだけになって腕まくりをしている姿が好きです!
やはり女性は、男性の腕まくりした姿やマナーの部分もしっかりと見ています。
まとめ
いかがでしたでしょうか?腕まくりひとつとってもマナーは存在し、様々なシーンによって使い分ける必要があります。TPOに合わせながら、しっかりとマナーを守って腕まくりをするように心がけましょう。また、せっかく腕まくりをするのであれば、流行のファッションを取り入れながら回りに一目置かれる存在を目指してみるのもいいかもしれません。
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