先輩!
あと5千円値引きしたらうちのサービスを導入してくれるそうです!
そうか!念のため粗利益がどのくらいか出しておいてくれ。
(粗利益…?)
この「粗利益」という単語。販売の現場や営業の方などは毎日耳にする言葉だと思いますが、なぜ重要なのか知っていますか?
今回は、改めて「粗利益」の意味や計算方法、重要性まで徹底解説していきます!
「粗利益」とは?
「粗利益」は損益計算上では「売上総利益」と呼ばれ、売上高から売上原価や製造原価を引いたものをさします。
例えば、1,000円のお弁当を売った時に、仕入れ原価が600円であれば、粗利は400円となります。
また、粗利益からは、会社が本業でどの程度の利益を出しているかを知ることができます。
売上との違い
売上(売上高)は、企業が商品やサービスなどを販売することで手にした代金です。この時点では、商品やサービスを仕入れたり作ったりするのにかかった費用は考慮されていません。
ですが粗利になると、売上の金額から売上原価と呼ばれるこうした費用を指しいた数字になっており、粗利の金額は、売上原価の分のみ売り上げの金額より小さくなります。
売上と売上高の違いとは?
粗利率とは?
粗利率とは、売上高を占める粗利の割合のことで、計算方法は以下の通りです。
お客さん先に行ったとき、値引き交渉をされた経験がある人がほとんどだと思いますが、その際どこの企業も「粗利が◯割取れていれば下げても大丈夫」といったようなボーダーラインがあると思います。
そのためこの計算式がすぐ出てくるようにしておけば、突然の値引き交渉でもしっかりと対応できますね!
「粗利益」を簡単に計算する方法
粗利を簡単に計算する方法は以下の通りです。
青果店を例にあげると、400円で仕入れたリンゴを、1,000円で売った時の粗利は600円となります。
1,000円(実際に売れた金額)ー400円(仕入れるのにかかった金額)=600円
こう考えてみるといたってシンプルですね。
ですが、粗利では以下の諸々の要素については考慮していないので計算する時には注意が必要です。
【粗利で考慮されない要素】
- 経費(広告費、人件費、家賃など)
- 金融活動による損失(為替差損など)
- 特別損失(災害や盗難などによる損失)
- 税金
そのため、実際に手元に残るお金を計算する時には、粗利からこれらを差し引く必要があります。
ビジネスで分類される5つの利益
続いては、ビジネスや企業で分類される5つの利益についてご説明していきます。
みなさんは5つ全て説明できるでしょうか?
売上総利益
*純利益に行きつくまでの基盤ともいえる利益で、会社の儲けのもととも言われます。会計上では、売上総利益と記載しますが、ビジネスの現場では「粗利」と呼ばれるのが一般的です。
営業利益
会社が本業のサービスや主力の商品によって稼いだ利益のことです。例えば、アパレルショップなら、服を販売したことによって得られるのが営業利益ということになります。
経常利益
本業、または株の売却益や本業以外の事業で稼いだ利益を含めた全体の利益のうち、企業が普段通りの活動をする中で生まれる利益のことです。
ただし、何らかのイベントや災害などで臨時で生じた収益や損失は含みません。
税引前当期利益
当該期に支払う税金を差し引く前の利益で、臨時的なものや異常な原因による特別利益や損失を含んだ利益のことです。
当期純利益
1つの決算期における、企業の収益全体から費用や法人税などの全てを差し引いたあとの、最終的に残った利益のことです。
「粗利益」に注目すべき2つの理由
ビジネスにおいて、「粗利益」は前述した5つの利益のうち最も注目すべき利益なのです!
なぜ最も注目すべき利益なのか、その理由を大きく2つに分けて説明していきます。
会社の基本利益が分かる
会社経営に欠かせない人件費や販管費、水道光熱費といった経費は全て粗利から支払われます。つまり、粗利以上に経費を使わなければ必ずその分手元に残るということであり、会社の基本となる利益として重要な意味を持っています。
その商品の付加価値が分かる
実は、粗利の大きさによって企業の「競争力」や「付加価値の大きさ」が分かるのです。
■A社
原価4,000円のものを8,000円で販売できている(4,000円の粗利)
■B社
原価4,000円のものを10,000円で販売できている(6,000円の粗利)
上記の場合、B社の方が高額で販売していますが、それでもお客さんには「ここで買いたい!」と思ってもらえています。
つまりB社の方が、商品やサービスに「何かしらの付加価値を上乗せできている」というわけです。ここで言う付加価値は、「営業力の人間力」、つまり営業力だったりします。
自社の「粗利益」を上げる方法とは?
次は、自社の「粗利益」を上げる方法についてご紹介していきます!
販売数を増やす
「粗利益」を上げる方法の一つ目は「販売数を増やす」といういたってシンプルなものです。質より量を上げるというやり方ですね。
たとえば、「実際に100円で販売したものの粗利が50円」の商品を、10個売れば粗利は500円となりますが、それを100個売れば粗利は5,000円となります。
ただし「質より量を増やして粗利を大きくする」ということは、その分だけ
- 売るための「人件費」
- 売るための「場所」の確保
- 売るための「光熱費」
など他の経費がかさばる可能性があるので、その部分のバランスを考慮することも大事ですね。
粗利率を上げる
「粗利益」を上げる二つ目の方法として、「粗利益」を上げるといったものがあります。これには「原価を下げる」か、「販売価格を引き上げる」のどちらかのパターンがあります。
例えば、原価を下げた場合は、
40円の原価のものを100円で売る。
(粗利益:60円、粗利率:60%
⇩
20円の原価のものを100円で売る。
(粗利益:80円、粗利益:80%)
このように、原価を下げることによって粗利、粗利率が上がります。
ターゲットを絞る
「粗利益」を上げる三つ目の方法として、「ターゲットを絞る」というやり方です。
自社の商品やサービスをどのようなターゲットに売っていきたいかを定めることで、そこに一点集中したサービスの提供が可能となります。
そのため、ターゲット層を明確にすることが「粗利益」を上げる一つのやり方です。
自社の「粗利益」管理におすすめの方法!
続いて「粗利益」を管理するのにおすすめの方法をご紹介していきます。
個人事業主の方や、「粗利益」などの財務状況を管理する時間が割けない方はぜひ参考にしてみてくださいね!
簡単なのにしっかり管理!会計王
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また、会計王を使うメリットは以下の通りです。
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freeeの会計ソフトの大きな特徴は、インターネット上で起動して使うクラウドソフトということです。どの端末からでも管理することができるところです。
また、freeeを使うメリットは以下の通りです。
粗利益を考えられる営業マンになろう!
今回は、社内でよく使う「粗利益」という言葉について解説していきました。「粗利益」を考えたうえでお客様と契約を結べるようになったら立派な営業マンです!
また、企業の利益が読めるようになると、業績についてはもちろん、業界内での立ち位置も分かるようになってきます。取引先、営業先の業績チェックなどさまざまな場面で活用してみてくださいね。
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