近年、社会において働き方に多様化が求められてきています。
厚生労働省でも、副業・兼業の普及促進を図って、「働き方改革実行計画」(平成29年3月28日 働き方改革実現会議決定)に沿ったガイドラインを策定しています。
そんな中、副業や複業などと合わせて、起業というキャリアを選択肢として選ぶ人が増えてきています。
社会人になると学生の時に起業するのと比べて、現職や家族など現在の環境も加味したうえで、起業に対してどうしても慎重になることでしょう。
そして、「起業したところで成功するのだろうか」「ビジネスモデルはどんなのが良いのか」などといった不安に起業をする前からぶつかってしまう人も少なくありません。
そんな不安を解消するためには、起業のイメージを具体的に持つことです。
この記事では、そんな問いに答えていくようなエッセンスで構成していきます。
当記事を読んで、起業への想いを確実な一歩に一人でも多く繋げてもらえると幸いです。
サラリーマンをしながら副業で起業ができる!
政府においても「副業・兼業の促進に関するガイドライン」を公表し、その際「モデル就業規則」に記載されていた「許可なく他の会社等の業務に従事しないこと」という内容が削除されました。
これにより、勤務先の就業規則内で特別に副業が禁止されていない限り、誰でも副業が可能となりました。
さらに、サラリーマンにおける安定収入を得ながらも、起業が出来るようになったのは、今まで起業を夢見てきた人にとっては、心強い後押しになること間違いなしです。
会社設立後の存続率と経営に失敗してしまう人の特徴
最近では、資本金の下限の規定も無くなり、1円から設立することが出来るようになったため、設立時にかかってくる諸経費を合わせても株式会社は約30万円ほどあれば始めることが可能になりました。
しかし、会社設立後の3年継続率は約1割。30年継続率は、0.02%と言われています。
では、なぜ設立後の継続率がそんなにも低いのでしょうか。
ただし、
継続率が低い=経営は難しい
という公式にはならないため、その違いと継続できない人が陥っている共通パターンを下記でご紹介したいと思います。
固定費の割合が高い
簡単に言うと、入ってくるお金が出ていくお金よりも多ければ会社は倒産しません。
1円でも多く収入が多ければ、会社は成長していきます。
「収入-支出=黒字」の状態を早く作ることを意識する
そして、「収入=売上」と考えると、売上は簡単に増減の調整ができるものではないため、出ていくお金(支出)を最小限に抑えることが重要となります。
また、支出の中でも売上に連動した仕入れ(変動費)ではなく、まずは固定費に注目します。
固定費=売り上げ増減に左右されない【人件費+経費】
つまり、この①人件費と②経費を最小限に抑えた経営を安定した黒字経営が出来るようになるまでは意識しなければなりません。
これを意識した事業運営が出来ているかどうかが3年継続できるかどうかの決め手になります。
人件費は言葉の通りですが、経費として最も大きな支出となりやすいのは
①店舗やオフィス、②ビジネスモデル(在庫を抱える必要がある事業)の2点です。
この2点において、事前に工夫をして取り組むことで、毎月売上の増減に関わらず、重なってくる支出を最小限に抑えることが出来ます。
営業戦略のイメージが出来ていない
商品を売るとき、つい新規案件の獲得に目が行きがちですが、継続した売り上げを上げるためには契約の継続(リピート)をしてもらわなくてはいけません。
そのためには、既存顧客に対するフォロー内容など、受注後どのようにして顧客満足度を上げるのか、そしてそのあと、どのようにして契約の継続(リピート)をしてもらうのかのイメージを描いていなくてはいけません。
そういった事業の今後の方向性などもビジネスモデルを考える上では、同時に考えておく必要があり、この考え方が出来ていない会社は、最初は知り合いの会社から売上を得ていても、長くなればなるほど既存顧客が枯渇し、新規で案件を獲得し続けなければいけなくなってしまいます。
その結果、新規の受注が上手く増えずに赤字になってしまうというサイクルに陥ってしまいます。
成功するビジネスモデルの方程式とは?
ここまでは失敗してしまう特徴を挙げましたが、その反対が成功の方程式となります。
つまり、
- 少ない資本で始められる事業である
- 在庫を持たなくても良い
- 一度発注を頂くと、解約率が低く、定期的に収入が入ってくるストックビジネスである
- 利益率が高い(30%以上)
をクリアできていることが成功の方程式と言えます。
そして、上記に追加して可能ならば『絶対的な強みを一つ持っている(価格・技術…etc)』という要素があれば、尚良いです。
こういった強みがあると、営業がしやすく、黒字成長していきやすいです。
株式会社設立とは?
会社の形は、株式会社を初め、合同会社など様々あります。
その中でも、株式会社設立を検討する人が起業の際は多いため、株式会社の特徴と設立の際の知識をまとめました。
株式会社設立のメリットとデメリット
株式会社を設立する際、まずはその目的を正しく把握している人は少ないです。
メリットとデメリットを把握し、株式会社として始めるべきかどうか検討することをお勧めします。
起業と言えば、株式会社を想定することが多かったですが、2006年の会社法改正により、合同会社の設立メリットが大きくなったため、それ以降設立件数が急増しています。
法律的には上記の通りですが、この辺りも加味してどういった形態で会社を運営するかを決定することをおススメいたします。
株式会社設立(登記)に必要な費用
- 定款認証時における手数料:5万円
- 定款の謄本手数料:約2,000円(250円/ページ)
- 登録免許税(=資本金の額×0.7%):15万円~
合計:約20万円~
※電子定款を利用しない場合は収入印紙代が4万円追加で必要
上記のような費用が掛かります。
ただし、上記のような設立の手配は、以下のような司法書士や会社設立の税理士法人など代行してくれるプロがいますので、追加費用は少しかかりますが、無料税理士紹介サービスで依頼することをお勧めします。
また、設立時の費用は経費精算が出来ますので、必ず領収書などは保管しておくようにしてください。
株式会社設立の方法と手順
- <定款の作成・認証>
定款を作成する際、設立時に届けとして申告すべき項目(ビジネスモデルなど)があるため、それらを決める必要があります。また、各種書類を提出するうえで必要になってくる印鑑も作成しなければなりません。 - <登記書類の作成・申請>
定款以外の各種書類の作成や資本金の払い込みなど実施します。そうすることで、登記簿謄本を取得することが出来、いわゆる登記が出来た状態となります。 - <開業に伴う対応>
会社を経営するには法人の銀行口座の開設が必要です。また、税務署にも設立した旨の届け出をします。
以上で、設立完了です。
要領よく行えば、1週間くらいで設立の対応が可能です。
設立当初はどのようなオフィスを選ぶべき?
登記の際にも登録に必要な住所ですが、オフィスをどこにするべきかということも非常に重要です。
ただし、前述したとおり、オフィスも大きな固定費となるため、最初はレンタルオフィスやバーチャルオフィスなどリーズナブルなところを選ぶことをお勧めします。
レンタルオフィス
レンタルオフィスとは、オフィス機能として利用する際に必要な通信や備品などが揃った個室を借りるという形式で、事務所などを普通に借りるよりも安く利用できるような設定となっていることが多いです。
オプションなどで登記などの宛先にもできるため、多くの人が利用しています。
また、シェアスペースなどが完備している施設も多く、商談などで利用することも出来ます。
バーチャルオフィス
レンタルオフィスのように実際に場所をオフィスとして利用するのではなく、住所や電話番号などの情報のみ借りることが出来る形式です。
必要最低限の情報のみ利用するため、その分コストも安くつき、さらには良質な場所の住所を安価で利用することもできます。
またオプションなどで、受電対応をしてくれるところもあるため、合わせて利用すると起業したばかりのタイミングなどでは、低コストで会社運営を始められるため、以下で紹介しているようなバーチャルオフィスサービスの利用者は年々増加しています。
また、転送電話の受電サービスのみを安価で利用したい方向けに、多機能転送電話ならToonesというようなサービスもあります。
設立したばかりのアーリーステージ企業におすすめのコミュニティ
会社を設立して当初は、案件づくりや会社運営について不安や焦りが多くなる時期でもあります。
しかし、同時期くらいに会社を設立した人も少なくないはずです。
そんな同じ悩みを持った人や、少し先輩の経営者の存在は道しるべになることも多いです。
そんな人たちと出会いやすい場所を提供するようなサービスが既に多く存在しているため、是非一度足を運んでみてください。
交流会
経営者同士の出会いとして最も多く耳にするのは交流会です。
企業としてそういった場を提供しているところもあれば、経営者同士で朝活など自発的に開催しているものもあります。
現代はSNSなどでも公開されているものが多くあるため、興味のありそうなものに参加してみるのも良いと思います。
「ビジネスで役に立つ!社会人の交流会まとめ」のサイトでは、ビジネスという観点で有益な交流会の情報が上手くまとめられているので、是非参考にしてみてください。
そこで思いがけず良い出会いがあるかもしれません。
レンタルオフィス提供会社のシナジープログラム
レンタルオフィスやバーチャルオフィスについて前述でまとめましたが、そういった運営側が、ただオフィスとして貸し出すサービスにとどまることなく、利用者同士をマッチングさせるような機会をサービス提供していたり、様々なプログラムがWeb上でも探すことが出来ます。
例えばWe Workのように都心にスペースを構えていて、若いベンチャー企業が集まりやすい場を提供しているグローバルな会社もあります。
まとめ
ここまで起業において多くの人がぶつかるであろう疑問の問いに答えてきましたが、現代は、昔よりも起業をサポートするような会社やサービスが多く存在し、出会いや助け合いがしやすい世の中になってきているため、起業のハードルも低くなってきているのは無いでしょうか。
改めて、起業への想いを形にするきっかけに当記事がなれば幸いです。
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