社会人になると自然と披露宴のお呼ばれが増えます。年齢的なこともありますが、中学・高校・大学の友人の他、同僚の披露宴があるためです。人によっては取引先の方から披露宴に呼ばれることもあるでしょう。そんな時、もしマナーが出来ていないと社会的な信用が落ちてしまいますし、招待してくれた新郎新婦にも迷惑をかけてしまいます。
新郎新婦は披露宴のために頑張って準備をして来ていますので、参加者もきちんとマナーを守って晴れの舞台を祝いましょう。
披露宴の前におさえておきたいマナー
披露宴に参加するにあたって、身だしなみなど以前から準備しておく必要があります。先ずは、事前に準備しておくマナーをご紹介します。
招待状の返信について
新郎新婦より招待状が届きますので出席か欠席を〇で囲み返信します。尚、招待状には自身への敬称部分がありますが、そちらは2重線で消してください。もし、新郎新婦へのメッセージ欄がある場合は、句読点を付けないように気を付けましょう。区切りや終わりを意味するので縁起が良くありません。
返信期限
なるべく早く返信するのがマナーです。出来れば2~3日以内に、遅くとも1週間以内には返信するようにしてください。事前にSNSで参加連絡をする機会もあるかと思いますが、正式な返答として返信しましょう。もし欠席する場合は、1週間ほど時間をおいてから返信するのがマナーです。出席出来るか分からない場合は、欠席として返信するのが一般的です。
文字色
黒の毛筆や万年筆で書くのがベターです。黒以外はマナー違反となるので使用しないでください。毛筆や万年筆が苦手という人は、硬筆対応の筆ペンを使うときれいに書けます。
身だしなみ
披露宴の出席にあたって身だしなみは大切です。オシャレさよりもマナーを重視した見た目を心がけてください。主役は新郎・新婦ですので目を引くような奇抜な格好は避けるべきです。
髪型
清潔感のある髪型が好まれます。男性と比べ女性は髪も長くアレンジの幅が広いです。
短めのさっぱりした髪型が好まれる傾向にありますが、特殊な髪形でなければそこまで問題にはならないでしょう。気にする点としては清潔感になります。長い髪であれば、後ろで結ぶなどしてスッキリさせることで対応可能です。また、髪の色は金髪などは避け、明る過ぎない色がベターです。
ヘアアレンジの幅が広い女性は男性よりも気を付けるポイントが多いです。ロングヘアの方はダウンスタイルではなく、アップスタイルにしましょう。ダウンスタイルですと、食事の際や挨拶の時に髪が前側に落ちてきてしまい、印象が良くありません。男性同様清潔感が求められます。また、トップにボリュームを持たせた盛り髪も派手過ぎるので控えましょう。
髪型をよりオシャレにみせてくれるものとして、ヘアアクセサリーがあります。服の色と合わせると全体的な統一感が出るのでおすすめです。
尚、下にあげるヘアアクセサリーはNGとされているので気を付けて下さい。
動物の殺生を連想させることから相応しくないとされます。
・花嫁のアクセサリーと雰囲気が似通うもの
コサージュやティアラのようなキラキラした素材のものは花嫁とかぶることがあるので好ましくありません。
・カジュアルなもの
普段使いするようなアクセサリーは控え、高級感のあるものを身に付けましょう。
服装
髪型同様、女性の方が選択肢が多い為、選ぶのに悩むかもしれません。NGポイントを意識した着こなしをしてください。
基本的には黒のスーツが無難ですが、最近ではグレーやネイビーの落ち着いたスーツでも大丈夫です。ただし、派手なものや白いスーツはNGですの気を付けましょう。シャツについては、白の襟付きが一般的ですが、薄い水色やピンクでも問題はありません。尚、ボタンダウンのシャツはフォーマルな式では避けた方が無難です。ネクタイに関しては、白や薄いシルバーが基本になりますが、派手過ぎなければ問題ないとされていますが、黒色はNGとなります。
他人と差をつける服装として、ネクタイを蝶ネクタイにしたり、小物を使ってみるといいでしょう。ネクタイピンやポケットチーフ、カフスでさりげないオシャレを演出できます。ちなみに、時計は時間を気にしているということになるため、正式にはNGとなります。ただし、最近はファッションとして捉えられているため着けていてもそこまで問題とはなりません。
靴は黒の「ストレートチップ」か「プレーントゥ」で内羽根式のものにしましょう。素材は革かエナメル素材のものになります。ストレートチップは一文字飾りになっているもの、プレーントゥは飾りのないものです。
ドレスやワンピースが基本となりますが、いくつかNGポイントがありますので気を付けましょう。色が白は新婦と被る為NGとなります。同様の理由から白っぽいものは避けるといいでしょう。また、肩が出ているなど露出のはげしいものやミニ丈のものもNGになります。ただし、夜の時間帯での披露宴ではOKです。もし、ノースリーブのドレスを着用する場合は羽織物で露出を控えてください。
靴はつま先が出ていないパンプスが最適です。ヒールは低いとカジュアルになってしまうので3センチ以上のものをセレクトしてください。また、素足はマナー違反ですのでストッキングを着用してください。
披露宴では小ぶりのパーティーバッグを使用しますが、革製品や派手過ぎる物、カジュアルな物は控えましょう。パーティーバッグの中身は、必要最低限な物しかはいりませんので、クロークに預ける大きめのサブバッグも持っていくと便利です。
ご祝儀
会場の受付でご祝儀をお渡しすることになりますが、ご祝儀袋や金額にもマナーがあります。ご祝儀袋の見た目が豪華なだけで、包んだ中身が見合っていないなどはマナー上よろしくありません。また、逆も然りです。飾りは結び切りの水引きがついたものにしてください。蝶結びはNGです。ご祝儀袋はふくさやハンカチなどに包んで持っていきましょう。
金額
偶数は割り切れる数字のため縁起が悪いとされ、奇数の数字を包むのがマナーです。関係によって包む金額が異なる為、下記の相場を参考にしてください。
- 1万円
披露宴に出席しない場合や未成年の子供
- 3万円
友人、知人、会社の同僚・上司
- 5万円~
会社の上司、兄弟姉妹、親戚などの親族
披露宴会場でのマナー
当日披露宴についたらどうすればいいのかご紹介していきたいと思います。基本的な流れは決まっていますので、下記に記載する流れを参考にしてください。
披露宴の流れ
- 受付
- ゲスト入場
- 新郎新婦入場
- 開宴
- 新郎新婦紹介
- 主賓挨拶
- 乾杯
- ケーキ入刀
- 食事と歓談
- お色直し・再入場
- ゲストスピーチ・余興
- 手紙
- 謝辞
- 閉会・新郎新婦の退場
- ゲストの退場、お見送り
受付
荷物を預けたり混雑することも考えられるので、会場には時間の30分前ぐらいの到着を目安にしておくといいでしょう。もし、遅れそうな場合は会場に一報を入れてください。受付は新郎側と新婦側に分かれているので、該当する方にお祝いの言葉を述べ、ご祝儀を渡してください。「心ばかりのお祝いでございます」など、一言添えて両手でお渡し出来ると、よりスマートな印象を与えられます。その後は、芳名帳へ記帳をし、座席表を貰います。
スピーチ
人によっては結婚式のスピーチを依頼されることもあるでしょう。「主賓祝辞」「乾杯」「友人代表」主にこの3種類が該当します。
主賓祝辞は新郎新婦の上司や恩師が行うのが一般的です。乾杯は主賓の次に地位の高い上司や恩師が行いますが、該当する方がいない際などは話し上手な親族が行うこともあります。スピーチの基本的な構成は同じですので、下記の流れを参考にしてください。
- 新郎新婦への祝福
- 自己紹介
- 新郎新婦とのエピソード
- 新郎新婦へのメッセージ(締めの言葉)
尚、スピーチの内容についてはいくつか気を付けるべきことがあります。忌み言葉や重ね言葉など、縁起の悪い言葉を使用してはいけません。また、話し方にも気を付けましょう。色々なゲストが来ているので、砕け過ぎた話し方や態度は失礼な印象を与えます。盛り上げるために暴露話をしたりする方もいらっしゃいますが、相応しい内容ではなく、基本的には新郎新婦の人柄が伝わるような良いエピソードを話すのが望ましいです。
食事
披露宴ではコース料理が出てくることが一般的ですので、テーブルマナーが出来ていれば問題ありません。ですので、ポイントのみかいつまんで説明したいと思います。テーブルにはナプキンが置かれていますので、こちらは乾杯が終わって席に着く際にひざ元に広げます。広げる際は、二つ折りにして折り目を自分側にして置きます。ナプキンで口元を拭く場合は、二つ折りにしている上布の内側を使用します。また、席を立つ際には座席の上か背もたれに掛けます。披露宴では、新郎新婦に挨拶に行ったり、写真を撮る為に席を離れることがありますので、覚えておくといいでしょう。
ナイフとフォークが複数並べられていますが、外側から順に使っていきます。一時的に食事を中断する場合は、ハの字型にナイフとフォークを置きます。食事を終えた場合は、ナイフとフォークを揃えて斜めに置きます。(時計で言うと4時の確度)尚、ナイフの刃は下向きにします。
食事が終わったらナプキンをテーブルの右側に置きましょう。この時、綺麗に畳んでおくと「料理に満足しなかった」という意味になってしまうので、多少くしゃっとした形で置きます。
披露宴終了後
会場を退出すると新郎新婦のお見送りがありますので、ちょっとした感想を伝えたりするといいでしょう。2次会がある場合は、会場にもよりますが少し時間が空きますので、前もって時間をつぶせる場所を探しておくとスムーズです。
気を付けよう!NGマナー
これまでもいくつかNGポイントは出てきましたが、重要なことは主役が新郎新婦であり、それを損ないそうなことや縁起が悪いとされることはNGになるということです。例えば、髪型や服装にありましたが、新婦と被ってしまうことは避けなければなりません。また、お祝いの席でお酒が出されますが、アルコールの摂取はほどほどにしておくのが好ましいです。酔っぱらって醜態を晒してしまうと、個人の問題ではなく、披露宴自体を台無しにしてしまう可能性があります。
まとめ
素敵な披露宴にするためには、最低限のマナーを守ることが必要です。ただ、マナーに縛られて披露宴自体を楽しめないのは、招待した新郎新婦も望みません。NGマナーを念頭におき、後は披露宴を楽しむことが一番です。
コメント