取引先への挨拶など、社会人になると他社へ訪問する機会が幾度となくあります。皆さんは訪問のビジネスマナーをきちんと守れていますか。ビジネスマナーが出来ていないと印象も悪くなり、商談にも悪影響を及ぼしてしまいます。訪問者は企業を代表していることになりますので、マナーをきっちり守り、こいつは出来る!と良い印象を与えましょう。
訪問前はどんな準備が必要
何事も事前の準備が大切です。訪問前に気を付けておくポイントを紹介します。
持ち物を確認
他社を訪問するにあたり、先ずは持ち物の確認が必要です。ご挨拶に伺うのであれば、名刺は必需品となります。名刺入れの確認だけではなく、きちんと名刺の枚数を確認しておきましょう。相手の人数が予想よりも多く、名刺が足りなかったということも起こり得ます。
訪問の目的に応じて持ち物は変わりますが、よく持っていくものとして、会社のパンフレット、提案書、ノートパソコン、モバイルWiFiルーターなどがあります。必要なものがきちんとあるか確認してください。名刺と同様にパンフレットは在庫がなくなっている可能性もあるので事前に把握しておくと安心です。
訪問先の住所を確認
訪問先が何処なのか確認しておくことも必要です。場合によっては、打ち合わせ場所が企業情報に書かれている所在地ではないこともあり得ます。最近では地図アプリを使って訪問先の場所を調べることもあるかと思いますが、社名で場所を調べて行ったら移転前の場所だった、なんてことも起きますので、調べる場合には住所で検索するといいでしょう。
交通手段を複数確認
当日何が起きるか分かりませんので、複数の交通手段を調べておいてください。予定していた交通機関が遅延や運転見合わせになることもあります。もし生じてしまったとしても、事前に複数調べていれば慌てずに行動することが出来ます。訪問に向かう前に運行情報を調べておけば、尚いいでしょう。
訪問先に到着したら
訪問先に着いたからといって直ぐに向かってはいけません。
時間の確認
遅刻はもってのほかですが、早過ぎる訪問も相手の迷惑になってしまいます。訪問時間に合わせて会議室をとっていたり、業務を組んでいることも考えられますので、受付で呼び出す場合は早くとも5分程度がいいでしょう。もし、やむを得ない事情で遅刻してしまう場合は、直ぐにその旨を連絡してください。相手も準備がありますし、わざわざ時間を取って対応をしてくれています。連絡をせずに遅刻した場合、信用を得ることは出来ません。
身だしなみ
シャツの裾が出ていないか、ネクタイは曲がっていないか、襟元は問題ないか、など身だしなみを確認しておきましょう。だらしない服装ですと相手にマイナスの印象を与えてしまいます。尚、コートやマフラーなどの防寒具は建物に入る前に脱ぐのがマナーとなっています。
手土産を持参している場合
手土産は応接室や会議室で渡します。名刺交換やご挨拶が済んだタイミングでのお渡しがいいでしょう。外袋が破れていたり汚れていないか確認しておきます。お渡しの際には袋から出してお渡しし、袋は持ち帰るのがマナーです。
訪問時に気を付けること
エレベーターではどうする
エレベーターにもビジネスマナーがあります。上司と訪問する場合には意識してください。
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エレベーターのボタンを先に押します。
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上司に先に乗ってもらいます。尚、その際にはボタンを押したままにするか、扉を手で押さえて途中で閉まらないよう気をつけます。
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操作パネルの前が下座になりますので、操作パネルの前に移動しましょう。尚、先乗車がいる場合には、無理に移動する必要はありません。
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上司に先に降りてもらいます。その際にはボタンを押したままにするか、扉を手で押さえて途中で閉まらないよう気をつけます。
『エレベーターマナーを覚えてデキるビジネスマンになろう!』の記事ではエレベーターに特化したマナーを紹介しているので合わせてお読みください。
受付でのマナー
受付では、自身の社名及び名前、何時に誰と約束をしているのかを伝えましょう。
例 「お世話になっております。株式会社○○の××と申します。本日〇時より、営業部の△△様とお約束をしております。」
その後は、案内に従います。
応接室に通されたけど、どこに座ればいいの
応接室に通された際、まだ相手が来ていないケースが多いかと思います。複数座席がありますが、入口に一番近い下座で待ちましょう。奥の席を勧められたら移動します。手荷物は椅子の上には置かず、床に置きます。
出された飲み物はどうしたらいい
訪問時にお茶を出していただくことがありますが、飲んだ方がいいのか、飲まない方がいいのか迷う方もいるのではないでしょうか。「出されたお茶を飲むのは失礼」とする話もありますが、厚意に感謝して遠慮なく飲みましょう。ただし、出していただいた際に直ぐに飲むのではなく、勧められたら飲むようにしてください。もし、勧められなかった場合には、相手が飲むのを確認してから飲むといいでしょう。
ちなみに、コーヒーを出された場合のマナーについては、覚えておくべきコーヒーのマナー!いい印象を与えるには正しいだけじゃダメ!をご参照ください。
相手が来たら
直ぐに立ち上がって挨拶し、名刺交換に備えてください。「本日はお忙しい中お時間いただきましてありがとうございます。」などの挨拶が適しています。
名刺交換
名刺の交換にもマナーがありますので、単純に交換すればいいというわけではありません。先ず順番になりますが、上司と訪問した際などは目上の上司から相手方と交換を始めます。また名刺の差し出しについては、目下のものから行います。名刺を受け取る際には、相手の企業ロゴや名前の上に指を置かないようにしてください。尚、名刺は相手の名刺よりも下から差し出すと謙虚に見えるということで意識するといいでしょう。受け取った名刺は直ぐにしまうのではなく、名刺入れの上に乗せ、自身の左側に置きます。商談が終わったら仕舞って下さい。
絶対に身につけておくべき名刺交換のマナー!の記事でさらに詳しく名刺交換のマナーを紹介しているので合わせてお読みください。
商談終了後
商談の切り上げは訪問した側から行うのがマナーです。終わったからといって気を抜いてはいけません。きちんとお礼を言い退室します。お見送りをしていただいた際には、エレベータ前で「お気遣いいただきありがとうございます。こちらで結構です。」とお断りをいれるといいでしょう。尚、コートなどは建物から出てから着用します。
訪問のNGマナー
訪問のマナーについて触れてきましたが、改めて行ってはいけないNGマナーをまとめます。
- 早すぎる訪問
- コートやマフラーを着けたままで訪問
- カウンターやテーブル越しでの名刺交換
- 名刺の交換順
- 席次を意識する
こんな時はどうする?
極稀に相手が訪問時間を間違えていたり、予想だにしないことが起こり得ます。私の体験談も踏まえご紹介したいと思います。
受付に繋がらなかったら
受付の電話が壊れていたり、電話をしても誰も出ないといったことがあるかもしれません。私の場合、受付端末のiPadが壊れていてずっとカメラモードになっていたということがありました。通常の状態を知らない為、壊れているのかが分からず、受付のやり方が書かれている案内を見直してしばらく悩むこととなりました。この様な場合は、遅れてしまうことの方が問題ですので、携帯から相手企業に電話を入れその旨を伝えるといいでしょう。携帯を持っていなければ、ノックをするなどその場に応じた方法で知らせる必要があります。
まとめ
訪問マナーをきっちり守れれば、相手からの印象も良くなり信頼を得やすくなるでしょう。最初は慣れないかもしれませんが、意識していくうちに自然と身についていきます。マナーは双方が気持ちよく生活していくための知恵ですので、何よりも相手への配慮が大切です。マナーが完璧ではなくとも、その気持ちは伝わりますので過度に緊張せずに対応していきましょう。尚、来客マナーについては意外と知らない!?来客応対マナーの基本の「キ」をご参照ください。
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