普段何気なく使っているエレベーターでもマナーがあるのは知っていますか?
エレベーターは社内の人だけでなく、同じビル内の社外の人や営業先でも使用する機会はとても多いと思います。エレベーター内でちょっとした気遣いやマナーを知ったうえで行動するだけでビジネスマンとして好印象を与えられますので、ぜひ身に付けてください。
エレベーターの乗り降りの順番と上座下座のマナー
普段何気なく使っているエレベーターにもマナーがあります。特に上司やお客様と一緒にいるときは意識して行うと良いでしょう。マナーを知らずに乗ってしまうと失礼にあたってしまいます。商談がうまくいっても最後の最後でマイナスの印象を与えてしまうのはよくないですよね。
ビジネスマナーを身に付けて上司にもお客様にも良い印象を与えましょう。
エレベーターホールでの待ち方は?
自分が使いたい階でエレベーターが待っているという偶然があれば気にすることはないと思いますが、他の階に止まっていることのほうがよくあるパターンです。
そんなとき、エレベーターホールでエレベーターを待つときには扉の脇に立って待つようにしましょう。電車と同じです。扉の前に立つと降りてきた人の邪魔にもなってしまいますし、降りてくる人も降りようと思ったら目の前に誰かがいたらびっくりしちゃいますよね。
みんながスムーズに乗り降りができるように配慮して待つと良いです。これは社会人として最低限のマナーとも言えます。
クライアントを見送るときはどこまでが正しい?
クライアント様をお見送りする際は基本的にはエレベーターホールまでです。上司と一緒にお見送りするときには案内の最中にタイミングをみて先にエレベーターのボタンを押しておくとスムーズです。商談が終わってからエレベーターが来るまでに雑談もできると気まずくならなくて良いです。エレベーターが到着したら雑談は切り上げて見送りましょう。エレベーターが到着したらドアをあけてお客さんが扉を締め切るまで頭を下げて待つのが一般的です。
ちなみに自分が訪問側だった場合は、他の利用者も考えてエレベーターが到着したらすぐに乗って挨拶したらすぐに閉めるのがおすすめです。扉が閉まるまでは商談中という意識で対応しましょう。
エレベーターが満員だったときは?
待っていたエレベーターが満員だったということもあります。満員だったとしても呼び出し階には止まりますよね。誰かが降りてくるのであればそこに入ることもできるかもしれませんが、乗るスペースがない場合は無理矢理乗るのではなく、次のエレベーターを待ちましょう。「次ので行きます」と中にいる人に声をかけることで案内板の人も「乗るのかな?乗らないのかな?」の判断もしやすくなるので親切です。
ただ、ドアが閉まっている途中で上下ボタンを押してしまうとまた開いてしまうので、完全に閉まりきるまでは待つようにしましょう。エレベーターが動き始めたのを確認してから押すのがベストです。
エレベーターでの先導の仕方
エレベーターで先導するときにすでにエレベーターの中に人がいる場合は扉を押さえて「どうぞ」と声をかけましょう。また、エレベーター内に人がいない場合は「お先に失礼します。」と断ってから先にエレベーター内に乗り込み、操作ボタンの前に立ちましょう。目的の階についたら自分は操作ボタンの前で「開」ボタンを押したまま、「こちらです。どうぞ」と声をかけてお客様に降りてもらいましょう。
エレベーターに入るのは先?後?正しいのはどっち?
エレベーターに乗る順番の基本としては「自分が先に乗る!だたし、エレベーター内に人がいる場合はお客様が先」を覚えてください。エレベーターにお客様と乗る場合は、自分が先に乗って「開」ボタンを押しながら扉も押さえてお客様にはあとから乗ってもらうようにしましょう。
ただ、エレベーター内に人がいた場合は、自分はエレベーターホールのボタンを押しながらお客様に先に乗ってもらい、最後に乗るようにしましょう。そのとき「お先にどうぞ」と一声かけてあげるとスマートです。
自分が先に乗るときの手順は下記を参考にしてください。
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- 「失礼します」と声をかけて先にエレベーターに乗ります。
- 操作パネルの前に立って「開」ボタンを押しながら扉も抑えます。
- 「どうぞ」と声をかけてお客様⇒上司の順番で乗ってもらいます。
- 利用階のボタンを押した後に「閉」ボタンを押してドアを閉めます。
自分が後から乗るとき(エレベーター内に人がいる場合)の手順は下記を参考にしてください。
- エレベーターホールのボタンを押しながらドアを抑えて閉まらないようにします。
- 「どうぞ」と声をかけてお客様⇒上司の順番で乗ってもらいます。
- 自分は最後に乗り、操作盤の前に立ちます。
- 利用階のボタンを押した後に「閉」ボタンを推してドアを閉めます。
ちなみに扉がそんなに大きくないエレベーターの場合は、扉を抑えることで入口が狭くなってしまい、乗りにくくなってしまうこともあります。そんなときは「失礼します」と断ってから自分が先に乗り、「開」ボタンを押しつつエレベーターの内側から扉を開けておくと気遣いが出来て良いです。
また、お客様がいなくて上司とエレベーターを利用する場合は、自分から操作盤の前に積極的に行くようにしましょう。乗る順番としては上司⇒自分の順番です。上司が乗るときにエレベーターが締まってしまわないようにエレベーターホールのボタンを押しておくことが大切です。このエレベーターは閉まるのが遅いし…と思っていても念のためボタンを押しておくのがマナーです。
上司と訪問に行く際は「初めての訪問で失敗しないために!他社訪問のビジネスマナー」もチェックしましょう。
エレベーターを降りるときのマナーは?
エレベーターに乗るときのマナーはもう完璧ですね。
では、降りるときのマナーも身に付けていきましょう。エレベーターに乗るときは「自分が先」でしたが、エレベーターを降りるときは「お客様が先」と覚えましょう。エレベーターに乗るときと同じように操作盤の「開」ボタンを押しながら扉を抑えて、お客様に先におりてもらいます。利用階についたらお客様についたことを伝えるため「どうぞ」と声をかけてあげるとお客様も戸惑わずに降りることができます。エレベーターホールについたら「こちらでございます」と進行方向を案内しましょう。
エレベーターの利用については基本的に降りる人が優先です。女性の方が降りるときに一緒に乗っている男性からレディーファーストの気遣いをしてもらったら、「ありがとうございます。」とお礼を述べて降りるとスマートですね。「大丈夫ですよ、先にどうぞ」と遠慮してもたついていると他の利用者の迷惑になってしまいますので、好意は受け入れるようにしいましょう。お礼は忘れずに。
エレベーターの上座と下座を覚えよう
会議室と同じようにエレベーターにも上座と下座があるのは知っていましたか?エレベーター内の操作盤が1つか2つかによって上座と考えられている位置が変わってくるので注意しましょう。スマートに上座に誘導して自分は下座に立つことでマナーが分かってる人だなと良い印象を与えることができますよ。
ちなみに席次についての上座・下座については「どこが上座?円卓に座る際のビジネスマナー」をご確認ください。
操作ボタンに近いほうが下座
エレベーター内では操作ボタンに近い方が下座、奥が上座になっています。他にも利用者がいる場合はお客様や上司が上座に乗ることができるように自然に案内しましょう。知っている目上の人が操作盤の前にいた場合は「変わります」と声をかけて自分が下座に立つように移動すると良いです。
操作盤が1つの場合は、操作盤の前が下座になります。そこから反時計回りで上座となっていくので、一番の上座は操作盤の奥ということになります。自分は下座に立って、降りるときにスムーズに「開」ボタンを操作できるようにしておきましょう。
操作ボタンが複数あるときの下座は?
操作ボタンが2つある場合は、1つのときと立ち位置が変わります。2個ある場合はエレベーターに乗って右側の操作ボタンの場所が下座になります。下座の対角線上の左奥が上座にあたります。大きいエレベーターで複数の目上の人と乗る場合には少し入り組んだ立ち位置になりますが分からなくなってしまった場合は、「操作盤の前」「出入口の前」「真ん中」に立っているのが無難です。
操作ボタンの前にいるときの気配り
操作ボタンの前にいるときは自分のお客様や上司に対してもそうですが、他の利用者に対しても気配りができるようになりましょう。お客様や上司と一緒にいるときは操作盤の前にいるときでも背を向けないようにして、横向きの姿勢でお客様と顔を合わせられるようにしましょう。ただ、エレベーター内が混雑している場合には柔軟に対応します。
また、自分が操作盤の前にいるときに他の階から利用者が乗ってきた場合には「何階ですか?」と声をかけてあげましょう。また、乗り降りの流れやエレベーターホールも確認しながら開閉ボタンの操作を行う気配りも大切です。利用階に到着したら、ドアが閉まらないように「開」ボタンを押したままにして他の方が全員降りたら自分が降りるようにしましょう。自分たちの分しかボタン操作をしなかったり、他の利用者を無視したりすると「教育がなってない」「感じが悪い」と上司が思われてしまうことがあります。降りる階でどこの会社か認識されてしまうこともあるので会社全体の評判にかかわってしまう可能性もあります。十分に注意してください。
また、自分があとから乗る側になったとしたら操作盤の前にいる人にお礼を言うようにしましょう。「ありがとうございます。」や「失礼します」と声をかけられるとスマートですよね。
エレベーターマナーでNGなこと
エレベーター内は公共の場でもあるので利用する際はマナーに気をつけましょう。
開閉ボタンの連打
降りる人がいる場合は、全員が降りきるまで「開」ボタンを押しておくようにしましょう。乗ってくる人で急いで入ってくる方もいる場合があります。完全に乗り切ったことを確認してから「閉」ボタンを押しましょう。また、自分が急いでいる場合でも「閉」ボタンの連打は機械が壊れる可能性もあり、危険なので止めましょう。たまにエレベーター内が暗くなっているところもあります。開閉ボタンを見間違えないように注意して捜査してください。
おしゃべりや飲食
エレベーターは社外の人も使いますので、誰が乗っているかわかりません。社外秘の内容をエレベーター内で話していると情報漏洩にもつながる恐れがあります。エレベーター内では会話を一時中断するようにしましょう。エレベーター内での話し声は以外に響くこともあり、エレベーターホールにいる人や廊下を歩いている人にも聞こえてしまう可能性があります。必要以上に会話は行わない、くすくす笑わないというのがマナーです。
また、エレベーターは閉鎖的な空間です。エレベーター内で飲食することで匂いがこもってしまうこともあります。エレベーターは外部の人も使いますし、公共の場でもあるので、飲食は行わないようにしましょう。
携帯電話の使用法
エレベーターは比較的電磁波ノイズには強いと言われていますが、全くのノーリスクというわけではありません。飛行機や電車でも危機が誤作動を起こす可能性や心臓ペースメーカーなどの医療機器に重大な影響を与える可能性として携帯電話の使用はNGとなっているようにエレベーターも同様に使用しないようにしましょう。
また、エレベーター内で携帯電話で話すことも上記で説明したおしゃべりNGに該当します。短い間だとしても気分がいいものではありません。エレベーター内では部署や職位にかかわらずに出会える場でもあります。次の仕事に繋がる可能性もありますのでいつでも良い挨拶ができるように携帯電話にばかり注意を向けず、周りを見てみるとよいでしょう、
まとめ
これでエレベーターマナーは完璧です。エレベーター内は知らない人同士が共有する狭いスペースです。短い時間しか一緒にならないと思っているかもしれませんが、お互いが気持ちよく過ごすためには少しの気配りで配慮し合うことが大切です。エレベーターマナーを身に付けてビジネスマンとしてレベルアップしてください。
また、この記事を読んでビジネスマナー全般に興味を持ち、資格取得を目指したい方は、「キャリアを見つめる際に一度は考えるビジネスマナー検定!?~合格までの手引き~」の記事で詳しく説明されているので、合わせてチャレンジしてみてください!
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