発注書や請求書など、重要な書類を顧客と取り交わす際、FAXを利用するケースがあります。
しかしIT化が進み、現在は「紙よりもデータで」ということでメールで書類のやり取りをするケースが一般化してきており、特に若い社会人の方はあまり利用する機会がないために、FAXの送り方や送る際の基本的なマナーなどを知らない人も多いようです。
ここでは社会人として恥ずかしくないよう、FAXを送る際の押さえておきたいポイントをご紹介していきます。
FAXを送る際の基本的なマナー
皆さんはFAXを送る際に最低限守る必要のあるマナーがあることはご存知ですか?
電話であれば「夜〇時を過ぎてしまっているから明日にしよう」とか、繋がった後に「今、お電話宜しいでしょうか?」といった電話をこのまま続けて問題ないかの確認をするなど、最低限のマナーはご存知の方も多いです。ではFAXに関してはいかがでしょうか?
送付状の書き方について
まずFAXは、送りたい書類と合わせて送付状を送る必要があります。
一番の理由としては、その送った書類が「誰宛に」「どんな書類を送ったか」を正しく伝える意味があります。電話であれば、繋がった相手に「〇〇さん、いらっしゃいますか?」と伝える事ができ、さらに「〇〇の書類を●部送りました」と正しく伝えることができます。
相手先は電話で説明を受けた資料がちゃんとFAXで送られているかを確認でき、万が一FAXエラーで届いていなかった場合は再送をお願いすることもできます。
もしあなたが会社で電話を取り「〇〇の書類送りました」とだけ言われて切られてしまったらどうでしょうか?きっと戸惑ってしまうでしょう。FAXで送付状が無いのは、ある意味そういう状態に近いです。
書く内容・項目に関しては、シンプルに最低限押さえる必要のある、
- 差出人の会社情報と連絡先
- 送信先の会社名とご担当者名
- 送付した資料の種類と枚数
- 送信年月日
などで問題ないです。あとはビジネスマナーとして一言、挨拶として文章を付け加えるのがよろしいでしょう。
※挨拶の文章例
・平素は格別のご高配を賜り厚く御礼申し上げます。下記の書類をお送りします。ご査収の程、宜しくお願い申し上げます。
・拝啓 貴社におかれましてはますますご清栄のこととお慶び申し上げます。早速ではございますが下記の書類をお送りします。ご査収の上宜しくご手配を賜りますようお願い申し上げます。 敬具
送る時間帯について
基本的には、相手先の営業時間中(午前9時~午後20時頃)にしましょう。
ビジネスマナー的な意味合いもありますが、企業の機密情報が記載された資料や個人情報などを含んだ書類を夜中に送った場合、翌朝までその資料がFAX機の上に放置された状態となってしまう可能性もあるため、送信時間には注意が必要になります。
しかし、あくまでも一般的には営業時間が望ましいという事なので、相手先の希望に合わせて送るようにしましょう。
送る書類について(量・ページ番号など)
場合によってはやむを得ず大量のFAXを送らなくてはならない場合もあります。2~3枚で済む場合であれば送信時間も一瞬で終了しますが、それが20~30枚となると送信時間もかなり掛かり、相手先のFAX回線をその間長時間使わせてしまう事になります。
どうしてもFAXで大量の書類を送る必要になった場合は、トラブルを回避するために事前に相手先に連絡をして許可をもらうようにしましょう。
また、FAX以外の送付方法でも問題ないようであれば、そういった場合はFAXを利用せずに電子メールにファイルを添付するか郵送にするなど、臨機応変に対応する事は望ましいです。
原則は多くても10枚程度とし、送信時に抜け漏れが無いようにページ番号なども入れて送るのも親切です。
送付直前に再度確認すること(相手先の住所・名前・FAX番号の確認)
当たり前ですが、最低限のビジネスマナーとして相手先の会社情報や担当者のお名前、FAX番号を再度確認しましょう。
FAXはメール同様、相手の手元にエビデンスとして残るので、相手先の名前を間違えていた等があると印象は非常に悪くなってしまいます。名前一つを間違えていただけかもしれませんが、それによって取引会社の担当者が「あまりウチの会社の事をちゃんと考えてくれていないのかな?」や「何度もやり取りしているのに名前を間違えるなんて失礼だ!」といった印象を持ち、最悪契約を打ち切られるなんて事にもなりかねません。
基本的な事ですが、非常に重要なポイントでもありますので、送信ボタンを押す前に最終チェックは必ずするようにしましょう。
送付後にやるべきこと(到着確認)
よくあるFAXでのトラブルとして「送付した書類が相手先に届いていなかった」という事があります。
FAXは電話・メール同様に便利な通信機器ではありますが、回線の不具合やFAX機器の紙詰まり等が原因で、こちらが送った気になっていた場合でも実際に相手先に送信できていないケースが少なくありません。
また、しっかりと相手先に送付できていたとしても他の書類と混ざってしまいそのまま紛失してしまうとか、営業FAXと勘違いされて捨てられてしまう可能性もあります。
その結果、先方から「なんで送ってこないんだ!」とお叱りを受けてしまうなんて事もあるかもしれないので、しっかりとFAXを送信した後は電話で相手担当者と到着確認を直接する事を心がけてください。
注意したいFAXを送る際のNG事項
FAXを送る際の基本的なマナーをここまでご紹介してきました。
反対に、送る際にやってはいけないNG事項もあるのをご存知でしょうか?相手先に非常に迷惑を掛けてしまう行為となりますので理解をしておいてください。
相手の経費を無駄使いする送り方
FAXというのは送信データを相手先の紙やインク等を利用して書類にするものです。つまり送り側の設定ミスや、無駄な余白が入った書類を送る事で、相手側の紙を余計に使用してしまう事になります。
ミスは誰にでも起こるものですが、可能な限り事前に送付する書類を確認し、無駄な余白がある場合はサイズを調整して綺麗に1枚にまとめるなどして、相手先の紙(経費)を無駄使いさせないように気を付けてください。
個人情報・機密情報を含んだ資料を送る時
上記の「送る時間帯について」の項目でもお伝えしましたが、先方の要望により重要な機密情報や個人情報が記載された資料等をFAXで送る際は特に注意が必要です。
FAX番号を間違って全く関係の無い会社に送ってしまったり、時間帯や相手先の担当部署を誤って記載してしまったことで社員には見られてはいけない情報が漏れてしまい、大きなトラブルに発展してしまう可能性もあります。
特に重要な資料をFAXする際は細心の注意を払う必要があります。
FAXを受け取った際のマナー
ここまではFAXを送信する際のマナーを説明してきました。
一方の受け取る側になった際のマナーや注意点を確認していきます。
全ての書類が届いているかの確認
送信側同様に、受け取り側もしっかりと全ての書類が届いているかを目視で確認しましょう。
複数の枚数があるのであればページ番号通りの書類があるかのチェックをし、万が一ページ番号が抜けているようであればすぐに先方に連絡をし、再送をお願いしてください。
FAXは精密な機械ではありますが、先方のFAXが問題なくてもこちら側の調子が悪いだけで受信が出来ないケースがあります。
相手先に何度もFAXをさせるのも失礼にあたるので、もし届いていない場合は、こちら側のFAXに何か原因はあるのか?(回線トラブル、紙詰まりなど)を確認したうえで再送のお願いをするといった気遣いも重要です。
相手先に受け取り確認連絡
基本的なビジネスマナーとしては、FAXを送信した側が確認連絡を電話等でするものですが、たまたま自分が不在だったり大きいオフィスの為、手元に書類が届くのに時間が掛かってしまい、相手から送信確認の電話が来た時点ではまだ受け取れていないケースもあります。
その際は、受け取り側のマナーとしてしっかりと手元に到着した時点で「受け取りました」と相手先に連絡をしましょう。
自分宛では無い書類が届いていた際の対応
自分宛のFAXで無いとしても、営業FAX等以外、基本的には自社の重要な取引先である可能性が高いです。自分には関係ないから、とそのまま放置したり雑に扱ったりはしてはいけません。
宛先が自分で無かった場合でも、社内にいる宛名の担当者に確実に手渡しで送り届けましょう。
もし宛名の担当者が長期不在の際は、担当者に代わって受け取り確認の連絡を先方にする事も大事です。
まとめ
いかがでしたでしたでしょうか?電話・メールにもマナーがあるようにFAXにも最低限押さえておきたいマナーは存在します。
重要なのは「送られた相手の気持ち・立場を考える」という事であり、それを意識すれば「この書き方で問題ないか?」や「送信する時間は大丈夫か?」など確認しなければならないポイントがきっと見えてきます。
FAXの送り方のマナーを身につけ、円滑にビジネスを進めていきましょう。
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