皆さんは封筒のマナーについてどのくらいご存知でしょうか?
EメールやSNS等の発達により文書を手紙等送る機会が減ってきているかと思いますが、ビジネス上や冠婚葬祭時には必ず必要になってきます。結婚式の案内が茶封筒で送られてきたら嫌ですよね。そういった誤りを避けるために今回は封筒についてのマナーをご紹介していきます。
意外と知らない!? 封筒についての種類と基本マナー
郵送する際の封筒について基本的な種類とマナーをご紹介します。それぞれ用途が異なるので注意しておきましょう。
封筒のサイズの違い
封筒サイズは主に「長形」、「洋形」、「角形」に分けられます。
1)長形
縦の長さが横の長さの倍以上ある封筒になります。定形郵便規格でよく使われ、中でも長3封筒(A4判横3つ折り)が最も一般的に使われています。
2)角型
縦の長さが横の長さより大きいが、2倍未満の封筒になります。正方形に近い形です。A4書類用によく使われる角2封筒が最もビジネスで使われる封筒になります。
3)洋形
横型で寸法の長い方に封の入り口があり開封しやすい形状の封筒で招待状や案内状等によく使われます。代表的な貼り方でダイヤモンド貼り、かます貼りといった手法があります。
封筒の種類
封筒の大きさは使う書類によって使用するサイズが異なります。タイプとしては「定形封筒」と「定形外封筒」に分けられ、日本郵政が定めた条件を満たし切手を貼って郵送できる封筒は「定形封筒」、それ以外が「定形外封筒」になります。
長さ | 幅 | 重さ | 備考 | |
定形封筒 | 14~23.5cm | 9~12cm | 25gまで(82円)
50gまで(92円) |
82円切手または92円切手を貼って郵送できる封筒 |
定形外封筒 | 82円切手または92円切手を貼って郵送できる封筒 | 4kgまで | 定形郵便物より大きなサイズで定形外封筒以外の封筒。 |
封筒の色の違い
白封筒
就活の際の履歴書やエントリーシートといった一般的な応募書類を送る際に使用します。理由としては白封筒の場合、書かれている文字が見やすく、また送られてくる企業側も中身が判別しやすいためビジネス的に送られてくる側の配慮も考えてのことです。
茶封筒
ビジネスや事務の用途で使用されており、主に契約書や領収書、請求書を送るのに使います。白封筒との違いとして茶封筒は社内の簡易的なやり取りでの送付の際に使用されるのに対して白封筒は正式な書類で扱うためよりフォーマルで取引先等で使用します。
封筒に必ずしておくべきこと
◆封筒の選び方
形式的な手紙を書く際は、カラーやが模様が入った封筒は避けて白無地を使用しましょう。茶封筒はビジネスにおいての事務的な文章や資料を送る場合のみに使用し基本的には使用しないほうがいいでしょう。
◆切手を貼ろう
切手は左上に貼りましょう。貼る際は水で糊付けすることもマナーの一つです。よく唾で行うことがありますが、相手の事を考えると水が一番良いです。また、切手は基本的には何枚貼ってもOKですが、郵便局員の手間や見栄えが悪くなる事も考慮して貼りすぎないように注意しましょう。
◆速達で送りたい場合
速達は普通の手紙と同じく宛名・住所・氏名を記載し封筒上部に赤線を引きます。書留などとは違い窓口から出さなくても郵便料金と速達料をプラスした金額で切手を貼ればポストへ投函して出せます。尚、速達は土曜、日曜、祝日も配達されます。
封筒の書き方マナー まずはここをおさえよう!
誰でも一度は書いたことがある年賀状等で基本的な書き方はご存知かと思いますが封筒に書く場合では送りたい相手によって書き方は異なります。ここでは封筒の基本的な書き方をお伝えします。
基本的な封筒の書き方:表書き
上から1文字下げたところから都道府県から書き始めて番地などの数字は漢数字で書き始めます。目上の方や形式的な内容の場合はビル名やマンション名も略さずに書きましょう。住所が長くて1行に入らない場合は改行しても構いませんが2行目、3行目の書き出しは1行目よりも下から書き出します。
相手の名前は郵便番号枠より1文字下げたところより書き始めて住所より大きな文字で書きます。文字のサイズは全体のバランスを考えて長さを考慮しましょう。
基本的な封筒の書き方:裏書き
本来はセンターラインよりも右側に住所、左側に指名を書くのが正式なものとされていますが、最近では自分の住所と名前を左側に書くケースも多いです。書き方は表書きと変わりません。また封じ目には一般的に「〆」が使われることが多いです。
基本的な封筒の書き方:横書き
通常、日本国内で封筒を送る時に使われるのはプライベートを除き、ほとんど縦書きです。ただ一部、企業でも横書きで封筒が使われることがありその場合に注意すべきことは下記になります。
- ・横書きの封筒の場合は数字は算用数字を使う。
・右上に切ってをはり、その下に郵便番号の枠が右下になるように書く。
・住所は封筒中央部のやや左、切手下部に揃えて住所を書く。
封筒を閉じる際に注意したい点
手紙や案内状を送る際に封筒を閉じることを「封緘(ふうかん)」といいます。封緘は封筒の口に糊付けして止めた後、字を書いたり判を押したりして開けたときに痕跡が残るようにする作業です。こうすることにより第三者が封筒の中身を見るのを防ぐことが役割となります。
封緘には主に下記の方法があります。
・封緘印:封字の文字だけではなく絵柄など合わせた封緘用の印鑑を押す。
・封緘シール:封緘用のシールをはる。
・封蝋をする:蝋(ろう)を垂らし判を押すことで立体的な印章で封をします。
(洋書では多く見られます。)
また封字には「〆(シメ)」と「緘(カン)」が最も使われますが「封」や「締」はある程度カジュアルな場面で使うとよいでしょう。
和封筒と洋封筒について
・和封筒の書き方
1枚の紙を貼り合わせて筒状にし、平たくして折り目をつけて袋状にした封筒のことです。和封筒にも長形と角形の2種類あり、長形封筒の場合は多くが縦書きの宛名を書くケースが多いです。角形封筒の場合は十分なスペースがあるため縦型、横型のどちらでも宛名はOKです。
・洋封筒の書き方
欧米などで一般的に使われている洋封筒は基本的には1枚の紙に4隅を中央で合わせた形の封筒のことをいいます。メールのアイコンに使われているのでよく目にするケースも多いのでイメージしやすいのではないでしょうか。洋封筒は封入口が縦の長さより長いことから宛名書きについては横方向に書くのが一般的です。
返信用封筒について
返信用封筒の書き方は上述したことと同じで通常通り郵便番号、住所、宛名を書きます。ただ自分宛てに送るわけなので宛名の部分は「様」や「御中」と書かずに「行」もしくは「宛」と書くのがよいでしょう。相手方が返送してくれるときは「行」や「宛」を2重線などで消して記入するのがマナーです。縦書きが一般的ですが、横書きでも問題ないです。返信用封筒なので封筒の裏には何も書かなくて大丈夫です。
次に入れ方についてですが三つ折りにして返信用封筒だと分かるように自分の宛名が書いてあるほうを上にして見せて入れると丁寧です。また企業宛に送る時は添え状を入れたほうがいい場合もあります。
法人宛と個人宛で送る場合の違い
・法人宛の場合
宛先が法人の場合は「御中」を使いましょう。会社や部署、学校や施設など組織・団体が宛先の場合に使用します。例えば「〇〇株式会社 御中」という使い方をします。宛名に部署名や課名を書く場合は「〇〇株式会社」のあとに「〇〇課 御中」という使い方をします。
・個人宛の場合
個人宛の場合は「様」を使いましょう。注意点としては「御中」と「様」は同時に使うことが出来ません。理由としては「様」には個人や方角をさす意味があるのに対して、御中には「特定の人ではない(誰でもよいので)人に読んでほしい」という意味があるためです。送りたい相手の名前がわかっている場合は「様」を使いましょう。また同様に「御中」と「各位」についても一緒に使うことはありません。
送る前に要チェック! 封筒での送付におけるマナーと注意点
郵送してからミスに気付いても後の祭りです。郵送される相手側の立場も考えて必ずチェックしておきましょう。
宛名に間違いがないか
封筒に入れて郵送する前に必ず宛名はチェックしましょう。前述したように特に個人・法人宛に使う敬称に加えて下記の敬称にも注意しましょう。
・「行」:返信用封筒などで自分宛てに送ってもらう文書のときに使用します。
また、基本的なことではありますが忘れてしまいがちな「行」の字を二重線で消して「様」(団体宛であれば「御中」)と書き直すことにを送る前にしっかり確認しましょう。
郵送料金について
郵送料金では重さや大きさによって料金が異なるためしっかり確認しておきましょう。
定形郵便物の場合 | |
25g以内 | 82円 |
50g以内 | 92円 |
定形郵便物の場合(規格内) | |
50g以内 | 120円 |
100g以内 | 140円 |
150g以内 | 205円 |
500g以内 | 380円 |
1kg以内 | 570円 |
定形郵便物の場合(規格内) | |
50g以内 | 200円 |
100g以内 | 220円 |
150g以内 | 290円 |
250g以内 | 340円 |
500g以内 | 500円 |
1kg以内 | 700円 |
2kg以内 | 1,020円 |
4kg以内 | 1,330円 |
その他郵便物 | ||
ミニレター(郵便書籍) | 25g以内 | 62円 |
レターパックライト | 4kg以内 | 360円 |
レターパックプラス | 4kg以内 | 510円 |
封筒への入れ方
封筒への入れ方にもルールがあります。それは便箋の上端が右になるように入れます。また書き出しとなる部分(手紙なら「拝啓」・請求書なら「請求」に当たる部分)を「上」にして入れましょう。請求書や納品書の場合は「請求書」「見積書」などタイトルにあたる部分を上にして入れましょう。豆知識ですが封筒の入れ方によっては手紙の折り方にもルールがあります。
◆和封筒における折り方の違い
・三つ折りの場合:下三分の一を上に折り上げ、次にもう三分の一を折り下げ、三つ折りにします。 入れ方は、封筒の裏から見て手紙の書き出しが右上にくるように入れます。
◆洋封筒における折り方の違い
・三つ折りの場合:下三分の一を上に折り上げ、次にもう三分の一を折り下げ、三つ折りにします。入れ方は、封筒の表から見て手紙の書き出しが右下にくるようにして入れます。
・二つ折りの場合:山折りになっている方を下にして、便箋の表面と封筒の表面の向きを合わせて入れます。
こんな時どうする? 封筒を使う場面におけるマナーの違い
就職活動、結婚式、お葬式といった人生で必ず経験する場面でも封筒は使用されます。頻繁に使うわけではないですが、覚えておきましょう。
履歴書におけるマナー
住所や宛名については既に紹介した内容で変わりませんが履歴書の場合のマナーとして下記対応出来ているか確認しましょう。
・書類への汚れを防ぐためクリアファイルに挟んで封筒に入れる
・書留は採用担当者に手を煩わせるためしない。
・急ぎの場合は宅配便や速達を使用する。
・履歴書のみ送付する場合も必ず添え状を用意する。
冠婚葬祭におけるマナー
冠婚葬祭で金銭を包む際に使われる封筒の「祝儀袋」「不祝儀袋」ですがこちらもマナーに違いがあります。一般的な礼儀用の包みとして日本では伝統的に「のし袋」が使われますが謝礼の場合には白封筒が使われます。書き方や使い方を把握しておかないと大切なお祝いの場で失礼になるため知っておきましょう。
謝礼の場合は「御礼」と白封筒の表に書きましょう。封筒に入れる際には封筒の表面にお札の表の顔が載っているほうを合わせて入れるようにします。ただし、不祝儀の場合は逆にお札の向きを逆に裏面を合わせて入れることになっています。のし袋の場合は表面に「御祝」と書きます。結婚式などのお祝い事に対しては濃墨で逆に葬儀などでは薄く書きましょう。中袋がない場合には裏面に住所を書いて完了です。
まとめ
いかがだったでしょうか?普段何気なく使っている封筒ですが知識については知っているようで意外と知らないところもあったのではないでしょうか。
書き方や種類、入れ方に至ってもそれぞれ意味がありますので使い分けが出来るようになれば送る相手にも好印象を与えることが出来ます。ITがいくら普及しても今後、ビジネスの場面だけでなくプライベートの場でも必要になってくる部分ですので覚えていて損はないはずです。細かい部分もありますが、いざというときのためしっかりと身に付けて使えるようにしておきましょう。
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