電話応対は、会社の顔といっても過言ではないほど大切な仕事です。新人営業マンは率先して電話を取るよう教えられるはずですし、仕事の内容や売上で貢献しにくい新人営業マンにとっては先輩社員にアピールできるチャンスでもあります。
しかし、取引先を怒らせてしまうかもしれない、先輩営業マンに怒られてしまうかもしれない…。そんな「かもしれない」という不安から電話を受けるのって怖いなと苦手意識を持っていませんか?
きちんとマナーを知ったうえで経験を積んでいくことで不安は払拭されます。ビジネスマンとしての電話の受け方を身につけて、第一歩をスムーズに歩みだしましょう。
電話を受けるときの基本マナーを抑えよう
ビジネスで活用する際の電話は自宅とは異なります。ビジネスで活用できる基本マナーを押さえておけばまずは大丈夫です。
電話を受ける前にメモと筆記用具は準備しておこう。
さて、電話がかかってきてもなにも準備をしておかないと間違った情報を伝えてしまう危険があります。手元には常に「メモ」「筆記用具」を用意しておきましょう。
メモの内容には下記を記述しておくとよいでしょう。
- いつ電話がかかってきたか(対応した日時)
- 誰が電話をかけてきたか(先方の会社名、部署名、氏名)
- 用件
- 先方の対応
(こちらから折り返す、先方から〇時に再度電話がくる、用件をメールで送ってもらう等) - 自分の名前
(担当者が電話の内容について聞きたいときに誰に確認すればよいか分かるようにするため)
2.は必ず聞くようにしましょう。机に置いておいたり、何かに挟んでおくと確認漏れが生じる可能性があるので、担当者には直接メモを渡しましょう。
電話がかかってきたら3コール以内に対応しよう
ビジネスマナーとしてクライアントを待たせるのはいけません。社内に電話がかかってきたら3コール以内に取りましょう。
もしも、社内が出払っていて気付くのが遅くなってしまったり、3コール以上鳴ってから電話を受ける場合は、「お待たせいたしました。株式会社○○でございます。」と付け加えて挨拶するのがマナーです。電話に出るまでにかなり時間がかかってしまった場合、そんな時は「大変お待たせいたしました。」と付け加えましょう。
「もしもし」はダメ?電話を受けたときの基本の挨拶方法を抑えよう
電話を受ける際の挨拶にも気をつけることで好印象を与えます。朝11時までは「おはようございます。株式会社○○の○○でございます。」通常は「お電話ありがとうございます。株式会社○○でございます。」と挨拶をします。
ただし、自分の電話ではないので、「もしもし」といって出るのはNGです。会社の代表として応対している意識と責任感をもって臨みましょう。新卒だから…とは思っていても、受け手はそう思っていません。あなたの声を会社の声として判断しています。大きな声で明るく応対しましょう。背筋をのばして、電話越しでも笑顔を作りながら話すと相手にも明るい声で対応しているように聞こえます。
先方の社名やお名前は復唱しよう
電話を受けたら先方の会社名と担当者のお名前を復唱しましょう。
例)「〇〇株式会社の○○様でいらっしゃいますね。いつも大変お世話になっております。
「〇〇様でございますね」という使い方は間違いなので気をつけましょう。「こざいます」は自分に対しての言葉になるので、相手を指す場合は「いらっしゃる」を使います。
間違いがちな同音異義語に注意しよう
電話を受ける際に聞き間違い・伝え間違いしやすい同音異義語に注意しましょう。不安な場合は、改めて相手に確認してください。
同音異義語
「市立と私立」⇒「シリツはイチリツでしょうか。ワタクシリツでしょうか。」
「川と河」⇒「三本川のカワでしょうか。さんずいのカワでしょうか。」
数字
1(いち)と7(しち)⇒7は「なな」と発音する。
4(し)と7(しち)⇒4は「よん」と発音する。
時間
午後4時⇒「16時」もしくは「午後よん時」
午後7時⇒「19時」もしくは「午後なな時」
日付
4日(よっか)と8日(ようか)
⇒「よんの日」「はちの日」もしくは「よんにち」「はちにち」と発音する。
アルファベット
D(ディー)とT(ティー)⇒Dは「デー」、Tは「テー」と発音する。
B(ビー)やV(ヴィー)⇒ブックの「B」やVサインの「V」など、単語の頭文字で案内するとよいでしょう。
ワードを聞き間違えてしまうと、電話のあとにメールアドレスを送れない等の問題が生じてくる可能性があります。
取次ぎは必ず保留にしてからがビジネスマナー
近くにいる人でも遠くにいる人でも必ず保留にしてから取次ぎます。「○○いたしますので」の一言があると、なんで待たされているのか相手もわかるため、安心感を与えることで丁寧な印象になります。
対応例)
相手 「◯◯株式会社の◯◯と申します。」
自分 「いつもお世話になっております。◯◯様でございますね。」
相手 「お世話になっております。営業部の加藤部長をお願いします。」
自分 「営業部の加藤でございますね。確認いたしますので、少々お待ちください。」
「保留」を押して、担当者に声をかけます。同じフロアにいない場合は保留のまま内線番号を押して取り次ぎましょう。
「加藤部長、外線1番に株式会社☓☓の◯◯様よりお電話です」等、他の担当者と間違えないように外線番号を伝えるのを忘れずに伝えましょう。
なお、保留にするのは30秒を目安にして、それ以上はお客様を待たせないようにしましょう。30秒以上かかりそうな場合は、担当者から折り返しお電話する旨を伝えて一度切りましょう。
- 相手を待たせない(=相手の時間を使ってしまっている)
- 電話代がかかる
2つの意識をもって対応しましょう。
詳しくは『これさえ知っておけば大丈夫!会社での電話の取り次ぎ方法3つのポイント』もご確認ください。
自分で対応できない場合の伝え方を覚えよう
社内にかかってきた電話の内容を自分では解決できない場合もあります。一旦確認・相談をしてから折り返ししたい時には相手に確認します。
対応例)
「恐れ入ります。その件に関しましては少々お時間を頂戴したいのですが、折り返しお電話を差し上げてもよろしいでしょうか。」
他の担当者がわかるようであれば、「恐れ入ります。担当のものにおつなぎいたします。」と伝えてから担当者へつなぎましょう。
電話の内容を上司に確認・相談する場合は時間がかかりすぎないよう要点をまとめて相談しましょう。
個人情報は口外しないのがビジネスマナー
担当者が社内にいない場合に先方から「携帯番号を教えてほしい」と言われることもあるかもしれません。しかし、携帯番号をはじめとする社内の人間の個人情報は決して教えてはいけません。
「御社の部長のお名前を失念してしまいまして…」や「前任がご挨拶をさせていただいていたのですが、担当者の方のお名前を確認できておらず…」など、名前を聞き出そうとする場合もあります。内容が怪しいと思った場合は、「本人に確認して、必要な場合は折り返しご連絡いたします。」などと伝えると良いです。
また、万が一いたずら電話を取ってしまった場合は、相手の求めに応じて個人情報を伝えるのではなく、「お電話が遠いようですが…」とあくまでも丁寧に対応した上で「大変申し訳ございませんが、お声が届かない状況ですので切らせていただきます」と対応するとよいです。
電話の受け方、取次ぎ方の丁寧な対応が求められます。最初は緊張していても何度か経験しているうちに自然と適切な言葉が出てきて対応できるようになります。電話の受け方において、正しいマナーを覚えて、経験を積んでいきましょう。
受けた電話のビジネスシーン別対応方法を覚えよう
電話の受け方は時と場合によって、適切な対応方法が求められます。ビジネスシーン別によっての対応方法を説明していきます。
もし、間違えて切ってしまった場合は?
基本的な取次ぎ方法は「保留」にしてから、と説明しましたが、保留にしたつもりが間違えて切ってしまった場合はどうすればよいのでしょうか。
そういう場合は慌ててしまうと思いますが、再度電話がくるのを待ちましょう。途中で切れてしまった場合でも、『かけた側からかけ直す』がビジネスマナーです。そして、かかってきたら「先ほどはこちらの手違いでお電話を切ってしまい、申し訳ありませんでした。」と、丁寧にお詫びをするようにしましょう。
担当者が不在の際の電話の対応方法は?
電話がかかってきたときに担当者が不在の場合の対応方法は、離席しているだけなのか、外出しているのかによって対応方法が変わってきます。
外出している場合の対応例
相手 「営業部の佐藤課長をお願いします。」
自分 「申し訳ございません。佐藤はただいま外出しておりまして、16時頃戻る予定となっております。」
相手 「わかりました。ではこちらからまたお電話させていただきます。」
自分 「恐れ入ります。それでは佐藤が戻りましたら◯◯様よりお電話があったことを申し伝えておきます。」
担当者が社内にいるが離席している場合
「申し訳ございません。◯◯はただいま席を外しております。」
担当者が社外に外出している場合
「申し訳ございません。あいにく◯◯はただいま外出しておりまして、◯時頃戻る予定となっております。」
担当者が休暇中(欠勤)の場合
「申し訳ございません。◯◯は休みをいただいておりまして、X日に出社の予定となっております。」
担当者が別の電話で対応中の場合
「申し訳ございません。◯◯はただいま他の電話の応対中です。」
担当者が会議中の場合の対応方法は?
まずは、担当者が会議に入る前に、会議中の電話は取り次いでよいのか確認しておくとよいでしょう。取り次いでいい場合は、保留にして取次いでください。会議中は取り次がないように言われた場合、先方に緊急度を確認するのが良いです。
①「恐れ入ります。あいにく◯◯は会議中ですが、お急ぎでいらっしゃいますか?」
②「申し訳ございません。あいにく◯◯はただいま会議中でございます。15時には終わる予定ですが、お急ぎのご用件でしょうか?」
会議中は取り次がないように言われた場合でも、先方より緊急の用事だと言われた場合は、担当者と同じ部署の人が対応できそうか確認し、対応しましょう。
①「代わりの者でよろしければ◯◯の部署の者におつなぎできますが、いかがいたしましょうか?」
②「今でしたら◯◯の部署の他の者で担当させていただきますが、いかがいたしましょうか?」
先方は緊急の用事だが、担当者以外に対応できる人がいない場合は「もし差し支えなければ私でご用件を承りまして担当に確認いたしますが、いかがいたしましょうか?」このように先方から用件を聞いたあとに、担当者に内線等で相談しましょう。
先方より折り返しでも問題ないと返事があった場合は、承知した旨を伝えて、相手の連絡先と連絡可能な時間帯を確認します。
「かしこまりました。それではできるだけ早く折り返しご連絡を差し上げるようにいたしますので、恐れ入りますがご連絡先をお伺いしてもよろしいでしょうか?」
会議が終わる時間がわかるようでしたら、お伝えするのが最良です。連絡先のメモは忘れないようにしましょう。
また、電話がかかってきた際に外出していた人や席をはずしていた人が戻ってきた時には、伝言メモを置いていた場合でも担当者が見なかったり、そのまま次の会議に出てしまう場合もあるので、「さきほどお電話がありましたよ」や「さっき電話が入ってましたよ」など、一声かけてあげるとできるビジネスマンです。
電話をかけなおす場合と伝言をきく場合の対応方法は?
電話を受けた際に担当者が不在だった場合、先方に不在であることを伝えたうえで、この後の対応については「①担当者から折り返しかける」のか「②先方がもう一度かけてくる」か、「③伝言を伝える」かを確認するようにします。
①担当者から折り返しかける場合
相手の折り返し時の連絡先、都合の良い時間帯、要件(どういった件か)を確認しましょう。
「かしこまりました。それでは、こちらから折り返しお電話いたします。差し支えなければ、ご用件をお伺いしてもよろしいでしょうか。○○様のご連絡先のお電話番号をお伺いしてもよろしいでしょうか。ご都合の良いお時間帯等ございますでしょうか。」
②先方がもう一度かけてくれる
「かしこまりました。担当には○○様よりお電話があった旨をお伝えいたします。」
③伝言を伝える
「私でよろしければ伝言を承ります」といって伝言を聞きましょう。また、担当者が不在の場合は外出先や電話番号等の個人情報は教えてはいけません。もしも、緊急の用事のため教えてほしいと先方より言われた場合は、「本人と連絡をとって至急折り返しいたします。」と回答しましょう。
相手が名乗らない、声が聞こえない場合の電話対応方法は?
電話対応をしていると、電話をかけてきた相手が名乗らずに「○○部長いる?」といきなり用件から言われる場合があります。その場合、焦って「早く取り次がないと」という気持ちになりがちですが、相手の会社名と名前は必ず確認してください。電話です!とだけ伝えられても、担当者も「え、誰から?」と困ってしまいます。その際には「失礼ですが、お名前を伺ってもよろしいでしょうか?」もしくは「私、○○と申しますが、お名前を教えていただけますか?」と聞けばOKです。
また、相手の声が聞こえなかったり、聞こえずらかった場合は、「申し訳ございません。お電話が少し遠いようでございます」と聞こえないことを伝えます。大切なポイントは「相手のせいで聞こえない」と捉えられるような表現を使わないことです。「よく聞こえません」等「聞こえない」と言ってしまうと相手のせいのように感じ取られてしまうので、聞こえないという表現は使わないようにしましょう。
相手の声が聞こえずらい場合はこんな言葉を使ってください。
「恐れ入ります。少々電波状態が悪いようなのですが」
「恐れ入ります。少しお電話が遠いようなのですが」
「恐れ入りますが、少しお電話が遠いようなので、もう一度お願いいたします。」
電話が遠いことを伝えてもなお聞こえない場合は、「お電話が遠いようですので、一度切らせていただきます。」とお伝えして、いったん受話器を置き、電話機の履歴から相手の番号を探してかけなおしましょう。相手が非通知でかけてきていた場合は、かけなおしができなくなってしまうので、気を付けてください。
名前や伝言を聞き損ねた、聞いたけど忘れてしまった場合の電話対応方法は?
相手の名前や用件を聞き洩らしてしまった場合、「聞き直すのは失礼かな」と思い、聞き直すことに躊躇しがちですが、聞き損ねてしまった内容を聞き直すことは失礼にはあたりません。むしろ曖昧なまま取り次ぐほうがマナー違反にあたります。相手の名前がわからなければ担当者も困ってしまいますし、「相手の名前も聞けないのか」と上司や先輩に怒られてしまう場合もあります。
「恐れ入りますが、もう一度お名前をお伺いしてもよろしいでしょうか。」
「念のため、もう一度お名前とご連絡先を伺ってもよろしいでしょうか。」
上記のようにお詫びをしてもう一度話してもらえるよう確認しましょう。
「恐れ入りますが、お名前を頂戴できますでしょうか」
「頂戴する」は「もらう」をへりくだっていう言葉ですが、この場合は名前をもらうわけではないので使い方は間違っています。よく間違われる言葉なので注意しましょう
受けた電話を切る前のビジネスマナーは?
電話を受けた場合は、切る前に必ず復唱するよう心掛けてください。復唱することによって、先方はきちんと伝わっているなと安心することができます。
【 復唱する内容 】
- 相手の会社名、部署、氏名
(部署はマストではないですが、同姓の方がいる場合があるので聞けるとよいですね) - 折り返しが必要な場合には、相手の連絡先と折り返し可能な時間帯
- 伝言を預かった場合には、伝言の内容
- 相手から再び連絡がある場合はその時間帯
電話は原則としてかけた方が先に切るのがビジネスマナーです。相手が用件があってかけてきたので、こちらが話が終了したと判断して切るのはマナー違反にあたります。また、クライアントや取引先企業、目上の人が先に電話を切るのが良いとも言われております。新入社員の場合は、ほとんどが目上の人やお客様になるので、相手が電話を切ったことを確認してから切ることを心がけましょう。
電話を受けるときに使う正しい敬語の使い方を覚えよう
電話を受けるときに間違った敬語を使ってしまうと「きちんと教育していないのかな」と会社の印象も悪くなってしまいます。正しい敬語を使ってよい印象を与えましょう。
名称の言い方
社内に対して、社外に対して名称も異なります。社内の人に対しては敬称はつけないので注意しましょう。
【よく使われる名称の言い方】
自分 ⇒ わたくし
相手 ⇒ 〇〇様
自分の会社の同僚や上司 ⇒ 名字
※〇〇さんや〇〇課長はNGです。普段使ってしまう言葉ですが、電話対応時には言わないよう気を付けてください。
自分の会社 ⇒ 弊社
相手の会社 ⇒ 御社
※貴社は書き言葉になりますので、話し言葉では間違いです。
受け答え時に使う正しい敬語
電話を受けるときによく使う言葉の正しい敬語をご紹介します。
「いつもお世話になっております。」
電話がかかってきた際に使う常套句です。
①電話をかけるとき、こちらが名乗ったあとに続けて言います。
②電話を受けるとき、相手が名乗ったら相手に対する礼儀として使います。
③相手がこの言葉を言ったら、それに呼応する言葉として使います。
「よろしいでしょうか?」
相手に確認を取るときに使います。
例)お名前をお伺いしてもよろしいでしょうか。
「かしこまりました。」
わかりました、了解しましたというときに使います。
例)担当の○○ですね。かしこまりました。少々お待ちください。
「恐れ入りますが、~でしょうか。」
「恐れ入りますが、~ますか?」
①相手にお願いする場合や質問する場合に使います。
例)恐れ入りますが、会社名をお伺いしてもよろしいでしょうか。
例)恐れ入りますが折り返しお電話を頂けませんでしょうか?
②確認する場合に使います。
例)恐れ入ります。田中様でいらっしゃいますか。
「お時間を頂戴してもよろしいでしょうか。」
①自分の用件で、お客様または目上の人に電話をあけ、相手の都合を尋ねるとき
例)田中様、お時間を頂戴してもよろしいでしょうか。
②返答の際に相手を待たせるとき
例)この件に関しましては、少々お時間を頂戴してもよろしいでしょうか。
「申し訳ございません。」
お詫びの言葉を言う場合。「すみません」「ごめんなさい」ではなく「申し訳ございません。」を使いましょう。
「お時間を頂戴して申し訳ありませんでした。」
①自分の用件で、お客様や目上の人にかけた電話を切るとき
例)本日は長々とお時間を頂戴して申し訳ありませんでした。
②相手を待たせてしまったとき
例)田中様、お時間を頂戴して申し訳ありませんでした。
「うかがいます」
聞く、訪問するの意味で使います。
例)ご用件をお伺いいたします。
「さようでございますか」
そうですか、という意味の相槌で使います。
「おっしゃるとおりです。」
「なるほど。」「その通り」という意味の相槌の言葉です。たくさんビジネス用語があって分からなくなってしまうときは、下記を思い出して話すといいですよ!
⇒相手を敬った表現のときは「貴」や「御」をつける場合が多い。
例)貴社、御社、貴店
・自分や自分の会社、自分の所有物、自分の考えや行動には『謙譲語』
⇒自分をへりくだっていう表現のときは「小」「拙」「弊」をつける場合が多い。
例)弊社、当社、小社
・基本的には『丁寧語』
勘違いしやすい誤った敬語
逆に間違えやすい敬語もお伝えします。ここを押さえておけば「お!しっかりマナーを身に付けているな!」と好印象を持ってもらえます。
×「○○様でございますか?」⇒◎「○○様でいらっしゃいますか?」
×「○○でよろしかったですか?」⇒◎「○○でよろしいですか?」
×「○○でお間違いないですか?」⇒◎「○○でよろしいですか?」
×「担当者に伝えます」⇒◎「担当者に申し伝えます。」
×「できません」⇒◎「いたしかねます」
×「わかりません」⇒◎「わかりかねます」
×「いかがいたしますか?」⇒◎「いかがなさいますか?」
※自分が何かする場合は「○○いたしましょうか?」が正しいです。
ビジネス電話を受けるときの代表的な表現例を覚えよう
田中さんはいますか?
⇒田中さんはいらっしゃいますか?
⇒田中さんはいらっしゃいますでしょうか?
電話をもらえますか?
⇒お電話をいただけますか?
⇒お電話をいただけますでしょうか?
会いたいのですが、
⇒お目にかかりたいのですが、
(あなたの会社の資料を)読みました、見ました。
⇒(貴社の資料を)拝読しました。
⇒(貴社の資料を)拝見しました。
(あなたの意見を)聞いた。
⇒(あなたの意見を)拝聴しました。
時間が欲しい
⇒お時間をいただきたい。
ビジネス電話で使われる言葉例
アポ(appointment=面会の約束、予約)
アポを取る⇒面会の約束をする。
アポを取りたい⇒面会の約束をしたい。
明日(みょうにち)/明後日(みょうごにち)
明日=あすのこと。
明後日=あさってのこと。
失礼いたします。
電話を切るときによくつかいます。
あいにく席を外しております。
担当者が席を外しているときに使います。担当者が昼食やトイレに行ってるときにもこの使い方をしましょう。わざわざトイレにいって席を外しています。なんて言う必要はないです。好印象を与えるには「おそらく○○分ほどで戻ると思います。折り返しこちらからご連絡を差し上げるようにいたしましょうか?」と続けるとベターです。
あいにく本日は失礼させていただきました。
担当者が帰宅した時に使います。「あいにく退社いたしました」は帰宅してしまったのか、退職してしまったのかわかりづらく混合しやすい表現なので避けましょう。
あいにく本日はお休みを頂戴しております。
あいにく本日は休みを頂戴しております。
あいにく本日は休んでおります。
担当者が休みだった時に使います。担当者が休みだった場合は、続けて「よろしければ~」と用件を確認をするとよいでしょう。
社内電話がかかってきたときの挨拶例
電話をとったら社内の人だった!なんてこともあります。その場合の適切な挨拶を学びましょう。これを知っていると社内での好感度もあがります。
相手が上司の場合
◎使ってよい言葉
「お疲れ様です」「おはようございます。」「こんにちは」「こんばんは」
×使ってはいけない言葉
「ご苦労様です。」目上の人から目下の人に対しての言葉です。
相手が後輩もしくは同僚の場合
◎使ってよい言葉
「ご苦労様」「お疲れさま」「おはよう」「こんにちは」「こんばんは」
社員の身内からの電話を受けたときの対応例
まれに社員の身内の方から電話がかかってくる時があります。そんな時は気遣いをもって対応しましょう。
例)社内にいる場合
「いつもお世話になっております。少々お待ちくださいますでしょうか。」
身内からの電話を取り次ぐ場合は、本人の近くまでいって小声で伝えるか、メモを渡して伝えると気遣いがあってよい対応です。
例)社外にいる場合
「田中課長は外出なさっています。」
「田中さんは外出中です。」
また、取引先には「田中ですね。」と敬称を外して呼びますが、身内の方に対しては呼び捨てにせずに、上司や先輩のことは『尊敬語』で、同僚や後輩のことは『丁寧語』を使うのがビジネスマナーです。
気づかないうちに使ってた電話を受けるときのNGマナーを覚えよう
意識していないと、気付かないうちに失礼な対応をしているかもしれません。NGマナーを学んで、意識して取り組みましょう。自分では気づかない部分もあると思いますので、先輩や同僚に電話の受け方を確認してもらうのも良いでしょう。
①語尾を伸ばす
語尾を伸ばして対応しているとフランクに聞こえすぎてしまったり、幼稚に聞こえる場合もあります。先方に良い印象は与えませんので、気をつけましょう。
②「はいはい」と2回繰り返す
返事を2回繰り返すことで、話を聞き流している印象を与えてしまいます。幼少期、「はいは1回!」なんて怒られたことある方は多いのではないでしょうか。バカにされてるんじゃないか、と捉えられてしまうこともあるので要注意です。
③「しかし」「ですが」といった否定的な言葉
電話を受ける時は顔の表情が見えないため、対話よりも感情が伝わりにくいことがあります。なので、文頭で「ですが」や「しかし」と言われてしまうといつもより否定されたように感じます。「さようでございますか」と相槌の言葉を使用すると柔らかい印象になります。
④「たぶん~と思います」といったあいまいな言葉
あいまいな表現を使用すると相手を不安にさせてしまいます。確証が持てない場合は、一度確認してから対応しましょう。
⑤復唱しない
相手の情報や用件は復唱するようにしましょう。きちんと伝わっているのかと相手を心配させてしまします。復唱も出来ないのか…と会社の印象を下げてしまう可能性もありますので、気をつけましょう。
⑥電話の相手をたらいまわしにする
担当者が明確でない場合は、とりあえず繋ぐ、のではなく、きちんと確認してから対応しましょう。「担当の者をお調べいたしますので、少々お時間をいただけますでしょうか。」と相手に確認をします。
ここでも先述したように「保留」にするのを忘れずに、お待たせするのは30秒を目安としましょう。それ以上時間がかかってしまう場合は、「一旦お電話をお切りいたしまして、こちらからおかけ直しさせていただきます。ご都合の悪い時間帯はございますか。」と、相手の情報を確認してから折り返しましょう。
会社にかかってきた迷惑電話・勧誘電話への対応方法を覚えよう
会社宛に勧誘電話や営業の電話がかかってくることがあります。電話を受ける側としては、「お客様からの電話かもしれない」「取引先からの電話かもしれない」ということもあり、受話器を取ってしまうのですが、勧誘電話・営業電話だった場合の対応方法をお伝えします。
新卒の方は正式な取引先なのか営業電話なのか判断がしづらいものだと思いますので、まずは電話内容を先輩に確認して指示を仰ぎましょう。経験を重ねていくうちに自分で判断ができるようになるはずです。
勧誘電話、営業の電話、迷惑電話の対応方法
「恐れ入りますが、こういったお電話はお断りしております。リストからも削除して下さいませ。」
「恐れ入りますが、勤務時間中ですので、個人的な勧誘はお断りしています。次回からこういった電話はなさらないようお願いいたします。」
「恐れ入りますが、営業の電話はお断りしています。」
「せっかくですが、必要ありません。」
先方の説明が長くなりそうな時には、受け手のこちら側が途中で口を挟むこともありますよね。柔らかい口調で、しかし断固として「電話をしないでほしい」と伝えるようにしましょう。何度もかかってくる場合には、相手の企業名、連絡先、担当者名を聞きます。「二度と電話をかけないで頂きたいので、リストからも削除していただけますでしょうか」と告げるようにします。
まとめ
社外の人と関わることが多い電話対応ですが、恐れずにまずは電話を取ってみましょう。たくさん受けることで身体に沁みついていきますし、経験を重ねることで怖いという気持ちはどこかへいってしまいます。担当者は誰が適切かわからないのは新入社員であれば当たり前です。まずは先方の社名、担当者名は必ず確認することを意識して、先輩に誰が担当者として適切か指示を仰ぎましょう。
もし、あなたの入社した社内で電話を受ける際のマニュアルが社内で決められている場合は、社内マニュアルに従って対応してください。
数をこなしていくことで誰が適切か認識できますし、電話の取次ぎを行うことで社内の先輩方、上司とコミュニケーションがとれる最速の方法です。失敗を恐れず、社会人のスタートダッシュを踏み出しましょう。
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