会社での電話の取り次ぎ…慣れないととても緊張しますよね。家の電話に比べて異様にボタンの多いビジネスホンの操作、相手を不快にさせない丁寧な言葉遣い、場合によっては英語での応対など、電話の取り次ぎについては気をつけなければならないポイントが復数あります。
今回はそんな電話の取り次ぎについて、これだけ知っておけば大丈夫!というポイントを3つにまとめました。急な電話にも、あたふたしなくて済むように、できる社会人の基本である電話の取り次ぎ方法についてしっかりマスターしていきましょう!
すべての基本はまずメモから!
電話の取り次ぎにおいてまず重要なのは、いつでも電話の取り次ぎがスムーズにできる環境作りです。電話はいつ掛かってくるかわからないので、常に対応できるように万全の準備をしておく必要があります。そこで必要となるのがまさしく、メモを取る習慣!電話の取り次ぎ時のメモの取り方について、ここでは確認していきましょう!!
必要となる3つの道具
まず必要となる3つの道具を確認しましょう。ずばり、ペン、メモ帳、そして時計です。いざという時にスムーズに使用できるように、ペンはインクがちゃんと残っているか、メモ帳は十分な量があるか、時計は「止まっていないか」「遅れていないか」を定期的にチェックしましょう。
メモのポイント
メモについては4点を注意して端的に書くように心掛けましょう。「いつ」、「誰が」、「誰に」、「何の要件で」の4点です。特に「誰が」&「誰に」については、注意が必要です。「誰が」については会社名(所属)とお名前を必ず頂戴するようにし、「誰に」については担当者の名前、サービス名や部署など、明確に聞くように心掛けましょう。
電話口の声が小さくて聞き取れない場合には、「申し訳ございません、電波の調子が悪いみたいです」といった言葉を使い、相手に大きな声を出していただくよう促すのがオススメです。
機械の不調だということを強調し、「あなたを責めているわけではないのです」ということをアピールするなど、工夫をしながら「誰が」、「誰に」、「何の要件で」電話を掛けてきているのか、しっかりと聞き取りましょう。
複雑で苦手意識を持ちやすいビジネスホンに慣れよう!
次にマスターすべきは、ビジネスホンの使い方です。家庭用電話と異なり、異様にボタンが多く苦手意識を持ちやすいビジネスホン。保留ボタン、転送ボタンの違いはご存知ですか?しっかりポイントを掴んでビジネスホンマスターを目指しましょう!
保留ボタンの使い方
ビジネスホンの一番の基本機能が「保留」です。例えば外線1番の電話を受け、その電話がαさん宛の電話だった場合、あなたが取り次いでαさんにつなげなければなりません。そのような場合に使用するのが「保留ボタン」です。では実際にどのように保留ボタンを使えば良いのでしょうか?使い方について確認しましょう。
① 外線1番を受け、保留ボタンを押下すると外線1が保留状態となり同時に内線通話が呼び出し状態になります
→ αさんが近くにいる場合は②へ
→ αさんが近くにいない場合は③へ
② 誰から何の要件で電話がきているのかをαさんに口頭で伝えて、取り次ぎ完了です。αさんはその後、保留状態の外線1番のボタンを押し電話に出ることができます。
③ 内線を使ってαさんに連絡しましょう。外線が保留状態になっているままαさんの内線番号をダイヤルすると、そのままαさんに繋がります。αさんが内線に応答したら、誰から何の要件で電話がきているのかを電話越しに伝え、取り次ぎ完了です。αさんはその後、保留状態の外線1番のボタンを押して外線に出ることができます。
転送ボタンの使い方
保留ボタンについてはマスターできたでしょうか?それでは次に「転送」について学びましょう。外線1番の電話を受けた後、その外線電話を他の人に繋げたい場合に使用するのが「転送ボタン」です。転送ボタンについても使い方を確認しましょう。
① 外線1番を受け、転送ボタンを押下すると外線1が保留状態となり同時に内線通話が呼び出し状態になります
② 内線を使ってαさんに連絡しましょう。外線が保留状態になっているままαさんの内線番号をダイヤルすると、そのままαさんに繋がります。αさんが内線に応答したら、誰から何の要件で電話がきているのかを電話越しに伝え、取り次ぎ完了です。あなたが受話器を置くと、自動的にαさんの電話機に保留状態の外線が転送されます。
保留ボタンと転送ボタンの違い
以上を踏まえ、保留ボタンと転送ボタンの違いを整理しましょう。違いは大きく2点です。
1点目は転送ボタンを使用した場合、転送時には必ず内線の呼び出しをしなくてはならないという点が挙げられます。内線呼び出しをしなくてはならないということは、事前に内線番号についての社内整理と共有が必要になることを意味します。すなわち転送ボタンを使用するためには、事前の準備が重要となると言えるでしょう。
2点目は転送ボタンを使用した場合、外線何番で電話を受けているのかを把握し、転送時に伝える必要がないという点が挙げられます。外線何番で電話を受けているのかを把握しなくて良いということは、同時に複数の電話を保留状態にしている状況下において、取り次ぎの間違いを起こしにくいということが言えます。同時に多数の電話を受ける可能性がある場合に適していると言えるでしょう。
会社の規模やシーンを考えて、保留ボタン、転送ボタンを使い分けましょう。
できる社会人の話し方をマスターしよう!
いつでも電話の取り次ぎができる環境を作り、複雑なビジネスホンの使い方を覚えたら、電話の取り次ぎ方法をマスターするまであと一歩!できる社会人の話し方をマスターしていきましょう。
会社の代表者としての意識をもとう
まず電話を受けるにあたり、電話口の相手にとってはあなたが会社の代表者であり、顔となるという意識を持ちましょう。あなたの応対によって会社のイメージが決まります。電話口の方に不快感を与えず、安心感や誠実さ、爽やかなイメージを与えられるように努めましょう。
相手が安心できる声の出し方
ではどのような点に注意すれば良いでしょうか?電話で特に重要となるのが、ズバリ「声」です。特に1対1の電話ではお互いに顔を見ることができず、表情を把握することができないため、声の高さや抑揚が大変重要になります。
そこで「信頼ボイス」を意識するようにしましょう。信頼ボイスとは、意識して低めの声を出すことによって、安心感や信頼感をアピールする方法です。一般的に低い声は理性的であり、一方で高い声は感情的であると言われます。また声が低い方が重圧感があり、発する言葉が信用されやすいと言われています。
ただし、単に低い声ですと相手に暗い印象を与えてしまう可能性、また聞き取りづらくなってしまう可能性があります。そこでオススメは意識して声のトーンを抑えつつも、広角を上げてゆっくり話すという方法です。広角をあげ、口の開閉を意識的に行なうことで声が響きやすくなり、電話越しでも相手に伝わりやすく、きちんとした印象を受け取って貰いやすくなります。
第一声のあいさつ
電話のベルが鳴ったら、3コール以内に素早く受話器を取りましょう。その後、電話を受け取ってすぐの第一声は特に注意が必要です。その第一声で会社、またあなたへの印象が決まります。「お電話ありがとうございます」という言葉とともに、「〇〇社の■■でございます。」と、まずはこちらから名乗るように心掛けましょう。
相手の確認、要件の確認
相手が名乗ってくれたら、「△△社の××様でございますね。いつもお世話になっております」と確認の意味もこめて相手の名前を復唱し、ご挨拶しましょう。
時に名乗らずに、「□□様はご在籍でいらっしゃいますか?」と仰る方がいます。そのような場合でも、「失礼ですが御社名とお名前をお聞きしてもよろしいでしょうか?」と必ず相手の会社(所属)と名前を聞くようにし、誰からの電話かを確認するようにしましょう。
また用件を聞いておくと、取り次ぎがよりスムーズになります。「ご用件をお聞きしてもよろしいでしょうか?」と尋ね、電話の目的は何かを把握しておきましょう。
担当者が在籍している場合
担当者が自席にいることがわかっている場合は、「少々お待ち下さい」もしくは「お待ち頂けますか」という言葉とともに電話を取り次ぐようにしましょう。先に上げた通り、保留ボタンもしくは転送ボタンを押下して、取り次ぎ先に繋げます。
担当者が自席にいるかどうかわからない場合は、「確認してまいりますので、今しばらくお待ち下さい」という言葉を相手に伝えましょう。
なお電話口の相手を待たせることができるのは、せいぜい1~2分です。それ以上かかりそうな場合は、「少々時間がかかりそうなので、こちらからおかけ直し致します」と応え、相手の名前、連絡先等をお聞きし、折返し電話をかけ直すようにしましょう。相手の時間を奪わないようにすることも、社会人のマナーとして重要です。
担当者が不在の場合
担当者が不在の場合は、なぜ担当者が不在なのかを伝えるようにしましょう。多くの場合、不在の理由は下記の4つのいずれかです。「申し訳ありません」と謝罪をした上で、それぞれのケースで最適な対応を心掛けましょう。以下それぞれのケースと対応文言です。
- 社内にいるが席を外している:「□□は現在席を外しております。」
- 外出している:「□□は只今外出しております。」
- 出張中:「□□は出張のため、本日不在にしております。」
- 休暇:「□□は本日お休みを頂いております。」
また担当者が不在の場合は、「よろしければご用件を承ります。」とお伝えし、必要に応じて伝言を受け取るようにしましょう。
伝言を頼まれた場合
実際に伝言を頼まれた場合は、先に上げた4点のメモの注意点をお聞きし、記入するようにしましょう。「いつ」、「誰が」、「誰に」、「何の要件で」の4点です。伝言を聞き終えたら復唱して確認するようにしましょう。また最後に自分の名前を名乗り、挨拶をするとパーフェクトです。「私■■と申します。□□が戻りましたら伝言を伝えます。本日はお電話ありがとうございました。」という言葉とともに電話を切りましょう。
なお作成したメモに日付と自分の名前を記入すれば、そのまま名指しされた人宛の伝言メモとして使用することができます。名指しされた人の机の上に置き、その後メールもしくは口頭にて二重に伝えることを心掛け、伝言に漏れがないように努めましょう。
折返しの電話を頼まれた場合
相手から折返しの電話を頼まれた場合は、念のため相手の電話番号と名前を再度聞くようにしましょう。「恐れ入りますが、念のためお電話番号を伺ってもよろしいでしょうか」と伝え、相手の電話番号と名前を復唱し確認します。最後は伝言を頼まれた場合と同様、自分の名前を名乗り挨拶をすると良いでしょう。
英語での対応が必要な場合
最後に電話を掛けてこられてきた方が英語を話されている場合、電話の対応方法としては上記にて説明した通り、日本語の場合と変わりませんが、下記の英語のフレーズを覚えておくとスムーズに対応できます。
こんにちは:
> Hello / Good morning / Good afternoon
〇〇社の■■でございます。:
> 〇〇 company, ■■ is speaking.
お電話ありがとうございます:
> Thank you for your calling.
ご用件は何でしょうか?:
> How can I help you today?
御社名とお名前を教えて頂けますか?:
> Can I have your company name and your name please?
申し訳ありませんがもう一度お話頂けますか?:
> Sorry, I can’t catch that. Could you repeat that?
もう少し大きな声でお話頂けますか?:
> Could you speak a bit louder?
□□につなげます:
> I’ll put you through to Mr/Ms □□.
□□はただいま席を外しております:
> Mr/Ms □□ is not available now.
少々お待ち下さい:
> Please hold on a minute.
伝言をお伝えしましょうか?:
> Would you like to leave a message?
英語に自信がない場合は下記の文言が役立ちます。
私は英語があまり上手ではありません:
> My English is not so good, sorry.
英語ができる人に代わります:
> I will change someone who can speak English.
英語でもスムーズな対応ができるように一通りマスターしておきましょう。
まとめ
以上、電話の取り次ぎ方法について確認してきました。いかがだったでしょうか?電話の応対は社会人の基本と言われておりますが、注意しなければポイントが多く、相手の顔が見えないコミュニケーションのため難しいのも事実です。
「入社前に知っておけば完璧!ビジネスマンとしての電話の受け方マニュアル」の記事では新入社員の方向けにビジネスマンとしての電話の受け方を紹介しているので合わせてお読みください。
できる社会人になるべく、しっかりマスターしていきましょう!
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