名刺入れといえば社会人の必須アイテムですが、最初はどんなものを買って良いのかわからず、適当に買ってしまいがちです。一度買うとなかなか買い換える機会もなく、新卒で買ったものや、大学の卒業式でもらったものを使い続けている人も多いのではないでしょうか。
名刺交換は一番はじめの挨拶であり、ビジネスシーンでは非常に重要な場面です。その場に不相応な名刺入れを出してしまうと、相手の心象にマイナスに働いてしまう可能性もあります。
社会人としてどんな名刺入れをもつべきか、おすすめの名刺入れをご紹介します。
名刺入れってそんなに重要?
名刺入れなんて最初の名刺交換でしか使わないし、あんな小さなもの、だれも気にしてないんじゃ…なんて思ってないですか?先にも述べたように、場合によっては相手にマイナスなイメージを植え付けてしまう可能性もあるのです。
人はちょっとした小物や靴に普段の人柄が現れます。初対面で靴や小物をまず初めに見るという人は結構多いのです。落ち着いたものか派手なものか、手入れが行き届いているか…など、ビジネスの場で名刺入れによって人柄を判断されてしまうことはままあります。傷だらけでボロボロになった名刺入れを持った人が丁寧な仕事をしてくれそうとは思えませんよね。
社会人になりたての人は名刺交換や商談の場に慣れていないと、なかなか相手の名刺入れまで気にかける余裕はないかもしれません。ですが、経験豊富な営業マンや経営者などはそういった細かいところまで目が届いているものです。
相手によい印象を与え、商談をうまく進めるために、名刺入れはしっかり気を配るべきアイテムなのです。
社会人が持つべき名刺入れって?
一口に名刺入れといっても素材・色・機能など、様々なものがあります。
素材
名刺入れの素材は革製・金属製・プラスチック製・木製など、種類は様々ですが、一般的な社会人の名刺入れの素材は革が良いとされています。
アルミやプラスチックなどの名刺入れは100円ショップでも購入することができますがカジュアルすぎるため、これをビジネスの場で使うのはマナー違反です。硬い素材の名刺入れだと、落としたときに大きな音が出てしまいますし、傷も付きやすいです。ビジネスマンが名刺入れを買う場合は革製を選ぶようにしましょう。
ただし、クリエィティブな仕事をしている人など、業界によっては革製以外の名刺入れでもOKという場合もあります。その場合は100円ショップなどで売っているようなものではなく、安っぽくないデザインのものを選ぶようにしましょう。
もちろんどんな職業でも、どの素材の名刺入れを使うかは自由なんですが、新入社員が金属製や木製の名刺入れを取り出すのと、クリエイターなどの職業のひとが取り出すのとでは印象が全く違いますよね。相手からどう見られるのか、客観的に考えて選んでみてください。
色
名刺入れの基本色は黒・焦げ茶です。どちらかにしておけば間違いありません。どこのブランドでもこの2色がダントツで多いです。新入社員や若い営業マンは目立つ色よりも、黒・焦げ茶の名刺入れを持つのが無難です。
原色やパステルカラーなど派手な色の名刺入れも売られていますが、落ち着きがなさそうに見えて、あまりよく思わない人もいるのであまりおすすめしません。特に男性でこういった色の名刺入れを持っているのは良い印象を与えない可能性が高いです。
それでも人とちょっと違うものがいい!という人はネイビーやボルドー、ダークグリーン、グレーなど落ち着いた色のものか、内側にワンポイントで色が入っているものにしておきましょう。
形
好みや職種にもよりますが、基本的には
- マチが付いている
- 収納箇所が2箇所以上ある
を満たしていればOKです。マチがついていないと数枚しか名刺を入れることができないため、一度に複数の人と名刺交換するのが難しくなります。また、収納箇所が2箇所以上あれば、自分の名刺といただいた名刺を別々に管理できるので、間違って自分のじゃない名刺を渡してしまうリスクを減らせます。
外回りがメインという人はマチが大きめの40枚以上収納可能なものがよいでしょうし、スーツのポケットにいれて持ち歩きたいひとはあまり分厚いものは避け、20枚程度入るものにしましょう。使用シーンを思い浮かべて、使い勝手のよいものを選んで下さい。
ブランド
ブランドの名刺入れは上質なレザーを使って作られています。レザーは使い込むほどに柔らかくなめらかになり、美しい光沢感が出て色合いの変化が楽しめます。ブランドのものは作りもしっかりしていて長持ちしてくれます。
ただし、ブランド名がでかでかと書かれた名刺入れよりは、控えめなワンポイントや、二つ折りの内側にかかれている方が良いでしょう。特に若い新入社員が超高級ブランドを持っていると、ちぐはぐ感が否めません。若いうちはなるべくシンプルなものを選びましょう。
では、実際どんなブランドの名刺入れがおすすめか紹介していきたいと思います。
おすすめの名刺入れ
名刺入れは様々なブランドが出しており価格も幅広く、プレゼントとしても定番のアイテムです。名刺入れを自分で買う場合も、誰かにプレゼントする場合も、その名刺入れがどんな印象を与えるのかよく考えましょう。
男性編
出典:COCOMEISTER
日本の職人さんが作っているブランドです。マルティーニという革を使用しており、使い込んでいくと柔らかく手に馴染むようになります。
メインのポケットには30枚程度収納可能です。ロゴが内側に刻印されていて、ブランド物という主張がないのでどんな社会人でも使いやすい名刺入れです。
出典:土屋鞄製造所
日本ブランドの土屋鞄製造所の名刺入れで、落ち着いた色合いが特徴的です。これくらいのグリーンならビジネスシーンで用いても問題ないでしょう。外側はブライドルレザーの重厚感がありつつも、内側はヌメ革で作られいて開いたときには違う表情が楽しめます。
名刺は40枚程度収まります。フラップ裏には簡易ポケットがあり、名刺交換の前に名刺を挟んでおけばすぐに取り出すことができ、スムーズな名刺交換ができます。
アンティークブライドルレザーを使用したWhitehouse Coxの名刺入れです。経年変化したようなアンティーク感があります。フラップが丸くカットされているのと、スナップボタンがついているのでアンティークの渋さのなかに可愛らしい印象もあります。
内側にはメインポケットとサブポケットがあり、外側の背にも1つポケットが付いています。
個人的にWhitehouse Coxはロゴが可愛くて好きです。
女性編
化粧品やアパレルでも有名なサンローランのクロコダイルエンボスレザーを使用した名刺入れです。ロゴが大きく入っていますが、レザーと同じ色であしらわれているのでいい感じに目立ちすぎません。
この名刺入れはメインポケットの他に4箇所サブポケットがあり、名刺の管理がしやすいです。また、メインのポケットもマチがかなり大きいので、バリバリ外回りで営業活動する人におすすめです。
外側は一見落ち着いたグレージュのエンボスレザーですが、内側にはスムースカーフレザーが使用されていて表情の違いが楽しめます。さらにサイドマチやポケットには鮮やかなピンク色があしらわれており、可愛らしい印象の名刺入れになっています。メインポケットが2つに分かれているタイプです。
機能別
出典:万双
両側がマチ付きのメインポケットという珍しい形の名刺入れです。それぞれ30枚程度の名刺を収納可能です。
名刺の管理もしやすいですし、一度にたくさんの人と名刺交換するシチュエーションにも心強い大容量タイプ。複数の名刺を持ち歩くビジネスマンには特におすすめです。
出典:m+
金具を使わずにフラップを留める名刺入れです。コロンとしたフォルムが可愛らしいですが、30枚ほど入るメイン収納部の他にサブポケットもついていて機能的です。フラップ部分をきちんと留めるタイプが好きで、ちょっと変わった形の名刺入れを探している人にピッタリです。
「cento」イタリア語で「100」という意味だそうで、その名の通りなんと100枚もの名刺が入るんです。入れている枚数に応じて厚みを変えることもできるので、カバンの中で邪魔になることもありません。外回りによく行くビジネスマンは、サブの名刺入れとして、予備の名刺をたくさん入れておくのもいいかもしれません。
年代別
続いて、年代別におすすめの名刺入れをご紹介します。プレゼントに名刺入れを贈ろうと考えている人は、是非参考にしてみてください。
閉じた状態の外側は落ち着いた色の普通の名刺入れですが、フラップを開けると3色の色使いで遊び心が感じられます。ポケットも5箇所ついており、名刺の整理がしやすく、ビジネスシーンでも使い勝手の良い名刺入れになっています。
出典:Paul Smith
イタリア製のスムースレザーが使用された、メイン収納部が2ポケットになったタイプです。Paul Smithの名刺入れはサイドマチやポケット部分にカラフルな柄が使用されていることが多いのですが、こちらもその一つですね。カラフルですが、派手すぎる色合いでもないので男女ともに使いやすいアイテムです。
出典:BRITISH MADE
スコットランドの職人のハンドメイド品です。ブライドルレザーが使用されており、丸みのあるフォルムが特徴的です。ポケットはメインとサブが1箇所づつで、スナップボタンで留まりますが外側からはボタンが見えない仕様です。
高さが名刺の大きさに近づけて作られているので、スッキリとした小さめサイズの名刺入れです。ですがマチが1cm程度あるので十分な枚数の名刺が収納できます。
出典:博庵
ブライドルレザーのシンプルな名刺入れです。シンプルだからこその渋さがあります。
フラップを開くと簡易ポケットがあり、名刺交換の前に挟んでおくのに便利です。メイン収納部はたっぷりのマチがあり十分な枚数の名刺がはいります。サブポケットもきちんとついています。
出典:GANZO
こちらもブライドルレザーの名刺入れです。ブライドルレザーは重厚感があって年齢が高めの人向きという感じがします。シンプルな名刺入れではありますが目立つ色のステッチがワンポイントになっています。マチ幅が広いので、たっぷり名刺を収納できますよ。
名刺入れのお手入れ
せっかくこだわりの名刺入れを手に入れても、使いっぱなしではすぐに劣化し、また買い替える羽目になってしまいます。そうならないために、名刺入れのお手入れは定期的に行いましょう。
お手入れ方法
お手入れの基本は柔らかい布での乾拭きです。優しく撫でるように拭きましょう。こすり過ぎは厳禁です。ホコリや軽い汚れはすぐに落とすと大きなダメージにはなりません。
レザーは乾いてしまうとひび割れてボロボロになってしまいます。特に革が折れているところは注意が必要です。日常的に触れる名刺入れは、手の油分がレザーに染み込んでくれますが、あまり触らない部分はやはり痛みやすいので、クリームを塗ってお手入れしましょう。
使用するクリームは、どんな質感にしたいかにもよりますが、紙製の名刺を入れるものなので油分が少ないものをおすすめします。
- 柔らかい布にクリームを取り、薄く均一になるように塗っていきます。クルクル円を描くように撫でると塗りやすいです。
- 全体にクリームを広げたら、風通しのよい日陰に10分ほど置いて乾かし、クリームを染み込ませます。
- クリームが乾いたら柔らかい布で乾拭きし、余分なクリームを拭き取って磨きます。
- 仕上げに防水スプレーをかけると汚れがつきにくくなります。
名刺入れに汚れがついてしまったときはできるだけ早く落とすようにしましょう。汚れが革に浸透してしまうと落とせなくなってしまいます。
水気をよく切った布で優しく汚れを拭き取ります。ただし、水は革製品にとっては大敵ですので、その後はしっかり陰干しすることが大切です。
それで落とせないような汚れの場合は、やはりクリームを使ってメンテナンスしましょう。
名刺入れの替え時
まずは、名刺入れ自体がもう古くなってしまっている場合はすぐに買い替えるべきです。角がボロボロになっていたり、革の表面が明らかに劣化していたりなど、傷んだ刺入れは印象がよくありません。
名刺入れが傷んでなくても、年齢や役職が上がってきた時も名刺入れを替えるにはいいタイミングです。それなりの役職についているのに、新人の平社員よりペラペラの名刺入れをもっているのはちょっと考えものですよね。
20代ではおとなしめの名刺入れを使ってきたけど、30代では品のあるものを使ってみたり。40代、50代になるにつれて素材も上質で高級感のあるものにシフトしてくのが良いでしょう。
ちょっと変わった名刺入れ
ビジネスマンの名刺入れは上でご紹介したようなものが基本です。ですが仕事柄、個性的な名刺入れを持ちたいという人もいると思います。人と違った名刺入れを持っていると、相手が食いついてくれて話のネタにもなるかもしれません。
形や素材など、よくある名刺入れとはちょっと違った名刺入れをご紹介します。
出典:GANZO
ツヤツヤの光沢感に丸いフォルムが可愛らしい名刺入れです。一般的な名刺入れとは違い、名刺収納部とフタが別々のセパレートタイプになっています。メイン収納部のみでサブポケット等はついていませんが、付属の仕切りを使えば名刺がごちゃごちゃになることもありません。渋めのイメージがあるGANZOですが、イメージ通りの落ち着いた色合いの中に遊び心が光るアイテムです。
出典:MUKU工房
北海道旭川の家具工房で、端材を利用して作られた木目の美しい名刺入れです。取り出し口はマグネットで留められているので、勝手に蓋が開いてしまって名刺をばらまいてしまう心配もありません。
木製はプラスチックや金属製のものよりもあたたかみがある気がします。革製以外の名刺入れを探している人におすすめです。
出典:あぐいのはこや
こちらの名刺入れは紙製です。シリーズで色や柄がたくさんあり、和柄や花がらなど、カラフルでかわいいです。普通のビジネスの場にはあまりふさわしくないですが、会社勤めじゃない個人事業の方などは個性のある名刺入れをもっていると印象にも残りやすのでおすすめです。
名刺交換のマナー
素敵な名刺入れをもっていても、名刺交換がグダグダでは元も子もありません。名刺交換のマナーもしっかり見直しておきましょう。
名刺の管理
せっかくこだわりの名刺入れで名刺交換をしても、交換した名刺を溜め込んでパンパンになった名刺入れはスマートではありません。名刺は社会人の大事なコミュニケーションツールです。いただいたらきちんと管理しましょう。
ファイルで管理
ファイルで管理するのは典型的な名刺管理の仕方ですね。名刺の裏や空いているスペースに相手の印象や情報を書いておくやり方がありますが、名刺に直接書き込むのに抵抗がある人は多いと思います。
そんな人は名刺用の付箋があるのでぜひ活用してみてください。書き直しも可能ですし、とても便利なツールです。
その他、名刺サイズに切った紙を用意しておいて、名刺と一緒に収納しておくのも一つの手です。
アプリ・ソフトで管理
近年は名刺管理ソフトを使って、会社全体で名刺管理をしている企業も多いと思います。名刺をデータ化することで、検索ができたり他のアプリと連携できたりするメリットがあります。会社での導入が難しい場合も、個人的な名刺管理にも活用できます。
〈Sansan〉
法人向けの名刺管理ツールです。国内No.1のシェアを誇ります。名刺共有機能の他、コンタクト機能、ニュース配信機能、メール配信機能を使うことができます。
Sansan – 法人向け名刺管理サービス
Sansan, Inc.無料posted withアプリーチ
〈Eight〉
スマホで名刺管理ができます。アプリ内課金はありますが基本的な機能は無料でつかえるので、名刺管理ソフトの導入を考えている人は是非試してみて下さい。
Eight – 100万人が使う名刺アプリ
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〈Wantedly People〉
こちらも基本無料で使えます。同時に7枚まで名刺を取り込むことができるので、毎日たくさん名刺交換する人にはおすすめです。
Wantedly People
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まとめ
名刺入れは一度買えば数年間は買い替えることのないものですから、よく考えて選んで大事に使いましょう。名刺はその人の顔とも言うべきビジネスアイテムです。そんな大事なものを入れて持ち歩く名刺入れだからこそ、こだわりのものを選びたいですね。
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