今からでも遅くない!?大人が弓道を趣味にする理由

弓道 大人の嗜み

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「弓道や剣道といった武道って趣味じゃなくない?」

タイトルを読んだ方はそう思う人が多いのではないでしょうか。確かに「フットサル」や「テニス」といったスポーツと比較すると大人の競技人口としては多くはないかもしれません。しかし「弓道」にはスポーツでは味わえないような奥深さを経験出来ます。「大人が今さら弓道なんかやってもしょうがない・・・」と思っているそんなあなたに大人だからこそハマる弓道の魅力について紹介していきます。

弓道ってそもそもどんな競技?弓道について知ろう!

石垣の城

弓道は和弓で矢を射て、的に中てることを通して心と身体を鍛錬する武道です。そんな「弓道」ですが、なぜ様々ある武道の中で「弓道」なのか。弓道についての背景や知識をご紹介し魅力について迫っていきます。

知られざる弓道の歴史

弓道の歴史は古く、旧石器時代末期には中東アジア地方の民族により狩りに使用されていました。日本においても石器時代の弓と思われるものが発見されています。有名な「魏志倭人伝」にも日本人が長弓を使用していたことが記されています。

日本の弓は歴史的にみても世界的にみても特殊な形状をしており「大弓」と呼ばれることもあります。これは利便性や効率性よりも精神性を重んじているためと言われ、現代では戦がないこともあり心身の修業の道として発展しています。

弓道の他の武道の違い

剣道や柔道といった武道とは異なるのは「対戦相手がいない点」です。狙う的は静止不動のため、結果は全て自分自身の責任になります。その言い訳が出来ない環境で自分の体感だけを頼りに矢を射ることで精神を鍛えることが出来るのです。

弓道とアーチェリーの違い

比較対象になりやすい「弓道」と「アーチェリー」ですが競技もそうですが使用する道具も大きく異なります。アーチェリーはイギリス発祥で使用する弓は「リカーブボウ」のほか、「コンパウンドボウ」や「ベアボウ」があり、サイト(照準器)や、スタビライザー(弓を安定させる装置)といった補助具を使用することが出来ます。

弓道では全長七尺三寸(約221cm)の「和弓」と呼ばれる弓を使用し、「アーチェリー」のような補助具は一切使用できません。よく「和弓」「洋弓」と呼ばれて比較されます。また、「アーチェリー」では、射者側から見て弓の手前を矢が通りますが、「弓道」では弓を挟んだ反対側に矢が通るといった違いもあります。

実際に始める前に。まずは道具を準備しよう!

弓

「弓道」について少し理解は深まったでしょうか?

では実際に弓道で使用する道具についてご紹介します。スポーツのようにTシャツや短パンといったラフな格好では出来ないため必ず確認しましょう!

道具の名称

弓道衣
弓道衣については女性用・男性用で違いがあり脇の部分が開いているのが男性用、閉まっているのが女性用です。ただし必ずしも男性用・女性用でそれぞれ専用のを着用しなければならないということではないのでご安心を。袖の長さについてですが、腕を伸ばした際に肘にかかるかかからないか、位の長さが適切であるとされていますので実際に試着するかお店の人に測ってもらいましょう。


袴は男女ともに馬乗袴が好ましいと言われており、男性は黒、女性は黒で背板のないものを選ぶようにしましょう。着物を着用する際には、男性は縞袴、女性は黒もしくは紺の袴が好ましいです。袴は男性と女性でつける位置が異なります。男性はおへその下が上端、くるぶしの中心が下端になるように着用して女性は上端がウエスト部分、下端がくるぶしの中心が基準となります。


日本武道の一つである弓道で使われている帯は、男性・女性共に角帯が好ましいと言われております。特に着物を着用する際には、正絹の帯を締めることが多いです。 袴を着用する際に遜色ないものを選ぶようにしましょう。

足袋
足袋を選ぶ際の基本として、滑るものを選ぶようにします。理由としては弓道に限らず、武道の基本は「すり足」で行うため滑る足袋の方が丹田に力が入りやすく、自分に適度に負荷をかけることができるため弓道が上達しやすいと言われているためです。また、滑る足袋の方が所作が上手くなりやすいといった理由もあります。


弓道で使用される「和弓」は引く人に合わせて様々な弓の長さが存在します。種類としては主に「竹弓」、「グラスファイバー弓」「カーボンファイバー弓」があります。選び方の基本は指導者や経験者に教えてもらうのが一番ですが長さについては「矢束」と呼ばれる弓を引く長さを一つの基準として選択していきます。

長すぎると矢勢に影響し、短すぎても破損の原因になるため慎重に選びましょう。また購入する際は実際に今引いている弓力を測ってから選んでいきます。


矢についても弓と動揺に弓力によって様々な重さや太さの矢を選ぶことが出来ます。種類としては「竹矢」、「ジュラルミン弓」「カーボン弓」があり、矢の形状と重さを変えることにより同じ矢でも遠くに飛ばすことも出来ます。

選び方としては弓の強さや長さによって矢の重さや太さは変えるべきものですので弓との相性で選びましょう。矢は一番消耗する道具であるため初心者の方であれば安価なものを選んでもよいですが金属矢、竹矢ともに飛び方が違うためお店の人や指導者の方に聞いてみましょう。

かけ
弦を引くために右手を保護する目的にて使用する道具を「弓がけ」または「かけ」と呼びます。弓がけは右手につけて弓をひきます。素材は、皮の特製上、吸水性に高く日本武具に多く使用されている鹿革が使われます。弓がけは小鹿の皮から製作されることがほとんどで1枚の皮から1つの弓がけしか作られません。

選び方としては、手の形に合わせる必要があるためオーダーメイドが一番よいですが、コストが高くついてしまうので基本的には既成品を手に合わせる形になります。「弓がけ」の選び方は帽子の長さがポイントとなります。

胸あて
「胸あて」は初心者の人のための道具です。理由としては後述する「離れ」の際に弦が胸を擦ってしまうことがあるためです。

弓道にかかる費用

弓道では使用される「道具」については既に説明しましたが実際にどれくらい費用がかかるものなのか、コストについて説明していきます。結論から言うと最低かかる費用は物によりピンきりではありますが大体8万円前後です。こちらは始める前の準備段階でかかる費用ですのでこれに弓道場でかかる費用、自分でカスタマイズする費用、雑費は別途必要になります。弓は借りることも出来るのでその場合は5万円前後になります。

  • 弓道着(胴着)等一式:20,000円程
  • 弓かけ:15,000円程
  • 弓:20,000円~50,000円程
  • 矢:20,000円程(6本)
  • 矢筒:3,000円~

弓道場を探そう

道具が一式揃ったら、さっそく近くの弓道場を探してみましょう。

都内のおすすめの弓道場

東京武道館

東京武道館
全国大会も開催される有名な弓道場です。近的場・遠的場があり照明設備もあるため夜間利用も可能です。

その他おすすめ弓道場

明治神宮

明治神宮 弓道場
TVでも放映されている「全国奉納弓道大会」が開催される場所です。この大会は誰でも出場出来て毎年1500人程集まる非常に規模が大きいイベントになります。

初心者でもおすすめな弓道教室

未経験のまま、いきなり始めるのは大変ですよね!?初心者の人が弓道を体験できるイベントを紹介していきます。道具はレンタル出来るので手軽に参加が可能です。通常は実際に的を射るまでは日数をかけて練習を行いますが、初日のうちに本物の的を射ることも可能です。スポーツ経験者であれば初日に「的中」することもあるそうです。

アクティビティジャパン

アクティブティジャパン

いざ実践!弓道を始めよう。

男 道着

道具が揃い、弓道場に着いたらついに実践です。ですが、運動する前は必ず準備運動を忘れずに行いましょう!!弓道は他のスポーツに比べ運動量は多くはないですが怪我の予防のため必須です。

弓道の基本射法:射法八節

射法八節」とは弓道において弓矢を持って射を行う時の射術の手順(法則)のことを指します。1本の矢を射るまでの一連の流れを8つの項目に分けて説明されます。

足踏み
足踏みは矢を射る際に正しい姿勢をつくるための基本となる動作で最初の足の踏み方のことを言います。矢束(やづか)を標準に外八文字(約60度)に踏み開き、両方の親指の先に的の中心と一直線上になるように構えます。

胴造り
足踏みに続いて射形全体を決定する上半身を作る作業のことをいいます。弓の下端を左膝頭に置き、弓を正面に据えて右手は右腰の辺りに置きます。足踏みの上に正しく腰を据え、背筋を伸ばし、良い姿勢を作り、呼吸を整え、射の最後まで不動を保ちます。

弓構え
弓構えは右手(妻手)を弦にかけて矢をおさえる取懸け(とりかけ)、弓を握る左手の形を整える手の内、顔を向けて射ようとする的を見定める物見の3つの動作からなります。これらの3つの弓構えの動作が出来てはじめて、弓を引き矢を放つ動作に移ることができます。

打起し
弓構えまでの動作をキープしながら弓を左右に引き分ける前に、弓矢を持つ両腕を上げる最初の動作のことをいいます。打ち起こしの動作は、弓を引く動作の中で的中にかかわるもっとも大切な動きです。打起こしには「正面打起し」と「斜面打起し」があります。いずれも胴造りの状態を崩さずに手の内の形を変えず肩を楽に落として行います。

引分け
引分けとは、打起した弓を左右均等に引き分け、会に至るまで動作のことをさします。コツとしては胸を開き弓の間に身体を割って入るようにして大きく引くことです。さらに「大三ないし大二で右ひじが張れていること」も引分けをうまくやるコツです。


会は形の上では引分けが完成され(弓を引き切り)、矢が的を狙っている状態を指します。見かけ上は変化が見られない静止状態ですが、射型を弓と身体が一体になるように左右両肩と矢を平行にして出来るだけ矢と力の方向を一致させてブレをなくす状態にしていきます。

離れ
矢を放つ(放たれた)時の動作を指します。射法八節の中では最も難しい技術の一つと言われており、離れの理想は自然に離れる状態に持っていくことを理想としています。離れをスムーズに行うためには押手を的に向かって押し続けることが重要です。また余計な力が入らないよう難しいことは考えないようにしましょう。

残心
「離れ」の後の姿勢のことを言います。残心と書くのは、離れを行っても気合が体に残っていることを指しており武道・芸道において幅広く使われ射の総決算とも言われます。離れの後に体勢を修正するのではなく、離れたままの状態を維持することが重要です。

競技方法

  • 近的競技
    近的は弓道をする人が必ず教わる競技です。射距離28メートルから直径36cmの的に向かって射るものです。日常的に全ての弓道家が行っているため、ほとんどの大会で採用されており審査はとても厳しいものになります。大会では「個人戦」「団体戦」があり団体戦では3人または5人一組でチームを作りチーム全体の的中で競います。
  • 遠的競技
    遠的は射距離60メートルから直径100cmの的に向かって射るものです。近的との違いとしては距離が遠くなるため的が大きくなり、後述する得点制か的中制かによって使用する的が異なります。得点制の場合は五色的を使用します。また遠くに飛ばすため使用する矢は近的と異なります。矢羽根は風の抵抗を小さくするため小さく製作し、重さは軽めに製作します。
  • 的中制
    的にあたった的中数を競うものです。「あたり」と「はずれ」のみの判定で的のどこに的中しても同じ「あたり」として判定されます。またあたった本数が同じ場合は「射詰競射」か「遠的競射」によって勝敗を決めます。
射詰競射:一人一射ずつ行い、最後まであて続けた人が勝ちとなります。
遠的競射:参加者全員が同じ的に一人一射行い、的の中心に近い人から順位が付けられていきます。
  • 得点制
    色的(得点的)を使用してアーチェリーのように得点を競い合います。同点の場合には的中数で決定します。おもに国体の遠的競技や実業団の近的競技で行われます。
  • 採点制
    的中だけでなく射形(弓を引いている時の姿勢や形)や態度などを統合して審査員が採点を行う方式です。全日本弓道選手権で行われます。

慣れてきたら挑戦しよう。上達するためのテクニック!

考える人

射法の仕方と競技方法について理解したら、あとは練習して上達あるのみですが、基礎をしっかり行った上で、さらに上を目指す人のためにちょっとしたテクニックをご紹介します。

的中率を上げるためのコツ

「弓道」では「正射必中」とよく言われます。もちろん正しく引けばあたるなんてのは当たり前ですが、的中率を上げることにつながる技術を習得することで短期間で効率よく的中率を上げることが出来ます。簡単に出来ることを紹介していきます。

  • 毎回同じリズム、同じフォームでで引く
    毎回同じ射をして毎回同じところに矢が飛んでいくようであれば的中率100%は可能ですよね。でもある程度熟達人でも100%は難しいです。そこで「再現性」を高めることで的中率を大幅に変えることができます。どれだけフォームが汚くてもあたっている状態を再現することが重要です。自分のフォームを撮影し、どの状態であれば的中しているか客観的に見て同じフォームになるように繰り返し反復しましょう。
  • 「離れ」の際に弓手拳を入れる
    弓手→親指付け根→親指の一直線で弓を押していき、離れで弓手拳を的に突っ込むように押し切ります。これをするだけで矢所が的付近に集中しやすくなり、的中率がかなり上がります。初心者でも行えるテクニックの一つなので試してみましょう。

スランプに陥った時の対処法

弓道は非常に繊細な武道で少しの心の動揺で射術が狂うことがあります。うまくいかない時にやってしまうのが、がむしゃらに練習量を増やし引く数を増やしてしまうことです。気持ちとしては非常に分かるのですが、うまくいかない時の射型のまま癖づけてしまうと悪い射型を身に着けてしまい負のスパイラルになってしまいます。

対処法としては練習を減らし、「一つ一つの射に対して客観的に動きを見直す」ことが重要です。原因さえ分かってしまえば修正するだけなので、もう一度基本に立ち返りましょう。

上級者が必ず行っていること

上級者でも皆していることは「イメージトレーニング」に時間を使っています。体配や射型などをイメージして動作が正しく行われているか意識することが大切です。その際、自分と上級者の射型を動画で確認し比較してイメージを湧かせることを意識しましょう。

日常生活で役立つ!?弓道をやることのメリット

力こぶ 男性

弓道をすることで日常生活でも大いに役に立ちます。身体的・精神的に鍛えることが出来ることは既に紹介しましたが、意外とやってみるとこんなことに役に立つといったメリットについてご紹介します。

弓道をやることのメリット:社会人編

弓道の全体人口のうち大半は学生ですが、社会人になってから習ってみたいと思う人も多くなってきています。その理由の一つに「昇段」がすぐに可能といったことが挙げられます。趣味を継続していく上でモチベーション維持は重要です。

弓道に限らないですが「段」を取得することが目標の一つになります。弓道における「段」は個人差はありますが最低でも1年程あれば「初段」を取得することが可能です。多忙な社会人生活において、趣味にあまり時間をかけられないといった方にも他の武道と比べてスピード取得が早いのも魅力のひとつです。

弓道をやることのメリット:女性編

武道の中でも「剣道」や「柔道」は「男くさい」といった印象を持たれがちですが「弓道」は女性人気が高く、女性に似合う武道といえます。また弓道は健康運動」に適しています。弓を引く前に上半身の姿勢を整える必要があり、そのために背中周りや胸周りの筋肉が強化されるため体幹が鍛えられ姿勢がよくなるので身体のシェイプアップにもつながります。

弓道をやることのメリット:年配向け編

弓道は何歳から始めてもOKですので定年退職後の趣味にも最適です。中には90歳を超えても弓を引いている人もおり「今からでは遅い」といったことはありません。弓道は他の武道と比較しても競技生命が長いです。理由としては年配になっても動きが激しくなく弓は体格や体力に応じて調節することが可能なので誰でも平等に競技を行うことが出来ます。そのため弓道歴、年齢、性別、体力に関係なく結果を残せる数少ない武道であると言えます。

まとめ

如何だったでしょうか?

弓道は大人になってからでも始められて日常生活でも大いに役に立つ場面が多いです。「今までなんとなくは知っていたけど始めるキッカケがなかった」という人や大人になってからの趣味を探している人にとって始めるには良いチャンスかと思います。対戦相手がいない分、自分のペースで進めることが出来るので見学からでも始めてみましょう!

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