子どもの頃から次にやってくる休日を心待ちにして毎日を生きていましたが、それは社会人として生活している今も続いている気がします。ただ明らかに昔と違うのは、務める企業や業種、立場によって年間休日数が違うということ。他人とも違いがあるでしょうし、転職などで自分自身も前より休めている、全く休みが取れていないなど変わることがあります。
そこで今回は社会人として、一度しっかりと「年間休日」について考えてみます。特に就職する人や転職を考えている人は、残業時間だけでなく年間休日にもしっかりとフォーカスできるように知識をつけましょう。
年間休日とは
年間休日とは、会社ごとに定められている年間の休日数のことです。国の労働基準法で定められているわけではなくあくまで会社の規則のため、それぞれ異なります。ただしだからといって会社は年間休日数を0にするなど極端なことはできません。労働基準法では「法定休日は毎週少なくとも1日、または4週を通じて4日以上」、そして「労働時間の上限は週40時間」と定められており、少なくともこの基準を守る必要があります。
これにあわせて「1日に8時間を超えて労働させてはならない」という条項も含め計算すると、会社として定められる年間休日の最低日数は「105日」です。各会社はこれを下回る休日数にすることは許されないのです。
ただし、意外と知らない人が多いのですが、これはあくまで1日の労働時間が8時間だった場合であり、例えば労働時間が7時間だった場合、365日÷7日×40時間(2085.7時間)÷7時間=298日となり、365日から引くと年間休日の最低日数は67日となります。とても少なく感じますが法律上はなにも問題ないです。
平均的な年間休日数
年間休日が105日って少ない気がしますが、どれくらいの日数ならばふつうと言っていいのか気になる方もいるでしょう。結論から言うと一般的な年間休日数は120日となっています。
土日・祝祭日、お盆・年末年始すべて休み!
土日・祝祭日が休み、そしてお盆・年末年始を休みに加えた場合、年間休日数が120日となります。これが一般的な休日数で、普段働いているともっと休みほしいなあなんて思ったりもしますが、単純計算すると、年間で約3日に1日は休んでいることになります。こうしてみると逆に意外と休んでいる気になりますが、日々の残業などを考えると妥当だと筆者は考えます…。
年間休日数が多い業種少ない業種
一般的な休日数は120日となっておりますが会社によってずいぶん異なるのが現状です。特に、働き方が違う為に業界によって異なることが多いです。そこでこれから就職・転職される方々の為に休日数が多い業界と少ない業界をご紹介します。ぜひ検討材料の一つにしてください!
金融業、保険業:121.2日(年間休日の平均日数)
情報通信業:121.1日
学術研究、専門・技術サービス業:118.8日
電気・ガス・熱供給・水道業:117日
教育、学習支援業:113.8日
鉱業、採石業、砂利採取業:105.8日
建設業:104.7日
生活関連サービス業,娯楽業:101.7日
運輸業、郵便業:99.3日
宿泊業、飲食サービス業:97.7日
参照元:厚生労働省「平成29年就労条件総合調査の概況」
http://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/jikan/syurou/16/dl/gaikyou.pdf
これだけ見ていると金融業や保険業を選択すべきだし、宿泊業や飲食サービス業は選ぶべきではないように思います。しかし、年間休日が多くても有給休暇を取りにくい場合があったり、またその逆もありうるのです。結果的に有給休暇を100%消化できて効率よく休暇を取れるということもある為、会社を選ぶ場合は注意するようにしてください!
会社として労働時間は融通が効くようになっている
業種の話をしましたが、繁忙期や閑散期が発生し労働時間に変動がある業種というのは確かにあります。その場合どうしても休日数が105日を下回ってしまうという会社も存在しますが、これは「1年単位の変形労働時間制」を導入していたり、「36協定」を結んでいると当てはまりません。
1年単位の変形労働時間制
1日ごとではなく年間で平均して1週間の労働時間を40時間以下にするようにする方法です。本来労働時間外だと時間外労働(いわゆる残業)が発生しますが、繁忙期により時間外労働が発生するが閑散期は少ない勤務時間という形で変動する業種の場合、この変形労働時間制を取り入れる場合があります。
36(サブロク)協定
正式名称は、「時間外・休日労働に関する協定届」といいます。労働基準法第36条が基になっているため「36協定」といわれます。法定労働時間を超えて労働させる場合、そして休日労働をさせる場合、労働者と使用者間で書面による協定を締結する必要がある、と第36条で決められています。これにより時間外労働や休日労働が発生する場合は36協定を締結していなければならないのです。
年間休日数120日と105日の明確な違い
年間休日120日と105日の違いは祝日や連休を暦通り休めるかどうかですが、実際はそれに伴うライフスタイルの違いが大きいです。
ライフスタイルが大きく変わる
年間休日数が120日の会社は、ほとんどが土日祝日休みでまさしく暦通りの動きとなりますが、あわせて有給休暇も消化しやすいことが多いため、土日祝日を絡めた連休が可能になります。ゴールデンウィークを5連休にしたり今ではシルバーウィークで10連休する方もいたりします。そうやって効率的に休暇をとり旅行にいったり仕事から少し離れることで、心身ともにリフレッシュすることができます。
充実したプライベート、そしてなによりメリハリがつき仕事の効率もグッとあがるため、年間休日数105日で連休が取りにくい会社に比べ人生を楽しむことができるといえます。
年間休日105日の会社はどこも危険?
正直にいってしまうと、年間休日数105日の会社はブラック企業である可能性が高いです…。まず、年間休日数が少ない会社は有給休暇が取れないことが多いです。労働条件自体が厳しく、土日しか休めないということは仕事量が多い、スケジュールもタイトである場合がほとんどです。もし求人票に土日祝休日の記載がなければ休みは不定期となりさらに辛い環境と見たほうがいいです。(サービス業などシフト制の場合はそれに限りません)
結果的にそういった働き方をしている会社は、体調や精神的な面で崩れる人材が多く常に人材不足を抱えている可能性が高いです。
年間休日数105日の精神的な負担
休日が少ないとブラック企業である可能性があるといいましたが、結局のところ一番問題になるのは無理した結果大きく精神的ダメージを負ってしまうことです。自身の職務経歴に傷がつくのはもちろんのこと、うつになってしまい長らく仕事をすることすらできなくなることもあるのです。自分の時間を作ることも難しく、もし家族いる場合は家庭にも影響を及ぼします。
実は給与にも影響を及ぼしている
年間休日数が105日の場合、給与面でも損をしている可能性があります。同じ額の給料でも、年間休日数120日と105日では15日違います。その場合、年間休日数105日のほうが120時間も働いている時間が多いにも関わらず給料は変わらないわけです。要は月に10時間も残業していることになり、例えば時給が1,000円とした場合1万円も違うこととなります。大した違いじゃないと思うかもしれませんが、明らかに給料面でもデメリットとなるのです。
離職率について
ここまでの話だけですでに想像できるかと思いますが、離職率は高いです。有給消化率は悪い、ブラック企業の可能性、精神面・給与面におけるデメリット…、必然的に離職率は高くなります。
就職・転職の際には年間休日を意識しよう
就職・転職を考える場合、年間休日数を意識して活動するように心がけましょう。まずは120日確保されているかどうか。そして夏季休暇・冬季休暇があるか、有給消化率、離職率など、可能な限り調べておくことをオススメします。
年間休日数120日か(もしくはそれに近いだけあるか)
夏季休暇・冬季休暇があるか
有給消化率はどうか
離職率はどうか
オススメの就職・転職支援サービス
休みが多いことのメリットや重要性は分かったけれど、休みが理由で就職や転職ってできるの?と不安に思うでしょう。結論を言うと、全く問題ありません。最近では人材不足が騒がれていることもあり、人材一人ひとりに手厚いフォローをする会社が増えどの会社も離職を食い止めようと必死です。そのため多くの会社で働き方がフォーカスされるようになり、当然休日数もその一つと考えられています。思っている以上に休日数を理由に就職・転職する人は多いのです。
休日数や有給などを意識して、今後就職・転職活動をしていきたいという方にオススメの就職・転職支援サービスをご紹介しますので、ぜひ参考してください!
第二新卒・既卒・フリーターの就職・転職支援【第二新卒エージェントneo】
平均10時間ほどの手厚いサポートがあり、企業担当による面談対策なども可能。幅広い求人を紹介してもらえるため、休日数を含めた様々な条件で探せます。内定後、入社後もサポートがあるため、実態と違う場合も相談しやすいサービスです。
就活のマッチングイベント【Meets Company】
「Meets Company」という就活のマッチングイベントを行っています。企業の人事で決定権を持った人や社長のみが参加するイベントのため、その場で内定を獲得出来たり、内定の一歩手前まで選考が進んむこともあり、年間約5,000人の方が就職をこのイベントで決めています。なにより通常の面接よりもリラックスして本音ベースで面談できるため、自分自身が求めるキャリアデザイン・ライフスタイルが築けるか判断もしやすいです。
まとめ
筆者自身、これまでなんとなく休日は多いほうがいいなと思って会社を探しているところはありましたが、実際には休日数が多いほうがいい理由、少ないことのデメリットが多い為しっかりと検討材料にすべきだと感じました。当たり前と思われるようなことも多かったかもしれませんが、今後会社探しをする際今一度しっかりと考えた上で行動するきっかけになれば幸いです。
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