春、秋、冬とおしゃれのマストアイテムであるコート。たくさんの種類がありますが、自分に似合う1着を見つけていますか?コートを活かしたコーディネートをするためには、TPOを考えること、自分の体型を考えてシルエットをつくることが重要です。
今回はコートの基礎知識から、選び方のコツまでをまとめました。新しいコートをご購入される前に、ぜひご参考にどうぞ!
コートについての基礎知識
まずはコートについての基礎知識を深めましょう。
アウター、コート、ジャケットの違い
アウター、コート、ジャケットといろいろな言葉が聞かれますが、どう使い分ければよいのでしょうか?
まずアウターとは、簡潔に言うと「外側に着る服」のことです。ジャケットやコートなど一番上に着る服のことをまとめてアウターといいます。次にコートとは「外出時に服の上から着る長い丈の上着」、すなわちヒップより下までの長さがある、屋外で体を温める上着のことです。
最後にジャケットとは「短いコート」のことです。腰~ヒップから上を覆う、服の外に着る衣類と考えればよいでしょう。それぞれに異なった意味を持っているので、時と場合によってしっかり使い分けましょう。
コートの要素を知る
コートは主に「生地」、「襟」、「色・柄」、「ディテール」の4つの要素に分けられます。それぞれの特徴を踏まえて、自分のお気に入りの1着を見つけましょう。
生地の種類
代表的な生地として、ウール(Wool)、ラムウール(Lamb’s Wool)、メルトン(Melthon)、ポリエステル(Polyester)、アンゴラ(Angora)、カシミヤ(Cashmere)、ツイード(Tweed)の7種が挙げられます。それぞれ説明します。
ウール(Wool)
ウールは羊の毛です。長所としては暖かくて保湿性が高い点、シワになりにくい点が挙げられます。そのためスーツやニットなど、幅広い衣服の素材に使われています。一方で短所としては肌触りが固くチクチクする点、重たいという点が挙げられます。長時間の着用には向かないかもしれません。
ラムウール(Lamb’s Wool)
生後数ケ月以内の子羊から刈りとった羊毛のことをラムウール(ラムズウール)といいます。ラムウールはウールに比べると毛が細く、軽く、肌触りが良い点が長所として挙げられます。ただしその分価格が高い点が短所として挙げられます。
メルトン(Melthon)
毛織物を縮絨した後、織物の表面が見えないように起毛し、フェルト生地のように仕上げたものをメルトン地といいます。長所としては、生地の密度が高いため保温性や耐久性に優れ、見た目が高級感がある点が挙げられます。その一方で重くなりがちな点が短所として挙げられます。
ポリエステル(Polyester)
ポリエステルはナイロン、アクリルと合わせて「3大合成繊維」といわれており、丈夫・水に強く乾きやすい・シワになりにくい・軽いといった長所が挙げられます。その一方で肌触りの良さや着心地の良さでは他の素材に劣り、毛玉ができやすい点が短所です。ウィンドブレーカー等によく使われます。
アンゴラ(Angora)
アンゴラはアンゴラウサギから取られた毛です。肌触りがよく、暖かく軽い点が長所として挙げられます。一方でデリケートな素材なため1本1本の毛が細く抜けやすく、取り扱いが非常に難しい点が短所として挙げられます。
カシミヤ(Cashmere)
カシミヤはカシミヤヤギから取った毛です。1本1本の毛が細く密度が高いため暖かく、絹のようになめらかな手触りが魅力です。その一方でアンゴラ以上にデリケートな素材であり、摩擦に弱く切れやすいため、取り扱いが非常に難しい特徴があります。
すなわち、「最高の着心地の良さ」と「最高の使い勝手の悪さ」の2つをあわせ持つ、極端な素材と言えるでしょう。
ツイード(Tweed)
ツイード製の衣服は生地がぶ厚いため暖かくその上、丈夫です。ただし非常にカジュアルな印象を与えるため、ビジネスで使用する際は注意が必要です。
襟の種類
襟の種類については、テーラードカラー、スタンドカラー、ショールカラー、ステンカラー、ノーカラーといった種類が主に挙げられます。
テーラードカラー
チェスターコートでおなじみの、一般的なスーツの襟に似た形をしています。
スタンドカラー
襟が立った状態のものです。襟に折り返しがなく、まさに名前の通りスタンド(立つ)カラー(襟)です。
ショールカラー
タキシードの襟でおなじみの形で、ショールをかけたような形に特徴があります。
ステンカラー
襟の後ろが高く、前が低くなっていて折り返す形です。一般的なYシャツの襟に似た形をしています。
ノーカラー
ノー(ない)カラー(襟)という名前の通り、襟がない形を意味します。カジュアルな印象になる場合が多いので、ビジネスやフォーマルで使用する際は、少し注意が必要です。
色・柄
色と柄によってフォーマル・カジュアルの度合いが大きく異なってきます。色合いがブラック、グレー、ネイビーのいずれか、柄については一色かもしくはあまり目立たないものがフォーマルでは良しとされています。スーツと同じ考え方と言えるでしょう。その一方で明るい色や柄ものについては、カジュアルな印象が強くなります。
ディテール
代表的なディテールについては、ボタンの種類、ボタンの配置(シングルかダブルか)、比翼仕立てか否かという点が挙げられます。一般的に細かいディテールがある程ドレッシーな印象を与えます。
ボタンの種類
コートの色に合わせ、ブラック、グレー、ネイビーがフォーマルだと好ましいでしょう。一方でカラフルなボタンや金ボタンはカジュアルもしくはドレッシーな印象が強くなります。
ボタンの配置
シングルが一列のボタン、ダブルが二列のボタンを意味します。シングルはすっきりとした印象を受けるのに対し、ダブルはドレッシーな印象を受けます。ダブルはクラシカルなコートによく見られるディテールです。
比翼仕立て
フロントが2重になっていて前から見た時にボタンが見えない仕様のことを、比翼仕立てと言います。ボタンが一切表面からは見えないため、大変シンプルで清潔感のある印象を受けます。ステンカラーコートによくみられるディテールです。
コートの種類
コートの4つの要素について見てきましたが、それでは具体的にコートの種類について説明していきましょう。
ステンカラーコート
バルカラーコート(Bal Collar Coat)、バルマカーンコート(Balmacaan Coat)とも呼ばれます。ステンカラーの名前の通り、後ろの襟が高く、前が低くなっていて折り返す形の襟が特徴です。
第一ボタンを留めても外しても着られる衿型で、襟を立ててボタンを留めると風を凌ぐ事ができるため、体温保護の効果も期待できます。定番のカラーはベージュであり、スーツともコーディネートしやすいです。
着用季節:
春・秋・冬
おすすめブランド:
マッキントッシュ
アー・ペー・セー
チェスターコート
正式にはチェスターフィールドコート(Chesterfield coat)と呼ばれ、19世紀にチェスターフィールド伯爵がはじめて着たのが命名の由来とされています。テーラードジャケットの着丈が長くなったようなデザインが特徴です。
スーツはもちろん、デニムやスニーカーなどカジュアルなアイテムとの組み合わせやすいコートです。定番のカラーはブラック、グレー、ネイビーなどが挙げられます。一方でベージュやキャメルといった明るい色も人気で、ビジネスの場でも着用できます。
着用季節:
秋・冬
おすすめブランド:
バーバリー
ラルディーニ
トレンチコート
参考)FARFETCH
春や秋の定番であり、フロントボタンがダブル掛けになっていて腰にベルトが付いているのが特徴です。トレンチコートは元々、軍隊の防風・防水用コートとして作られたのが始まりで、ロング丈が一般的ですが、近年はトレンチコートのハーフバージョンも人気です。
スーツにも合うのはもちろん、デニムなどカジュアルなアイテムともコーディネートしやすく、一着持っておくと便利なアイテムです。定番カラーはベージュです。
着用季節:
春・秋・冬
おすすめブランド:
バーバリー
アクアスキュータム
ピーコート
参考)楽天
元々はイギリスやアメリカの海軍が着用していた軍用アウターの一種で、PコートのPは「Pea(錨/いかりの爪)」から来ていると言われています。そのためPコートのボタンには錨(いかり)マークがデザインされている事が多いです。
軍用アウターだけに機能性に優れており、海風の寒さから手を守るためのポケットやダブルブレスト(前を二枚の生地で重ねてボタンをつけるディティール)によって防寒性も高いです。丈が短めなので足長効果も期待出来ます。定番カラーとしてはブラック、グレーが挙げられます。
着用季節:
秋・冬
おすすめブランド:
オーシバル
バズリクソンズ
ダッフルコート
参考)楽天
トグルと呼ばれる大きな留具と対になっている輪っか、そして大きなフードが特徴の厚手のコートです。トグルは動物の牙や角のような形をしています。
元々は北欧の漁師の仕事着であり、手袋をしたままでも着脱しやすいようにトグルが使われて今の形になったと言われています。ドグルと大きなフードがシルエットとして可愛い印象を与えます。定番カラーはネイビーやキャメルです。
着用季節:
秋・冬
おすすめブランド:
グローバーオール
モンゴメリー
ポロコート
ポロコートの原型は19世紀の後半、イギリスのポロの選手が競技の間の待ち時間に着用した「ウェイトコート(WAITCOAT)」と言われています。20世紀に入ってアメリカのブルックスブラザーズ社がこの形のコートを「ポロコート」と命名して発売して以来、この名が定着しました。
厚手のウールで作られた、膝が隠れる程度の長さのロングコートです。 アルスターカラーと呼ばれる大きな襟、ボタンはダブルで計6個、バックベルトと呼ばれる背中だけに施されたベルト、袖口には幅の広い折り返しが付いている点が特徴です。定番カラーはキャメルです。
着用季節:
秋・冬
おすすめブランド:
ブルックス ブラザーズ
ラルフローレン
ISAIA
モッズコート
参考)Amazon
元々は、米軍が採用した野戦用ジャケット「M-51(エムゴーイチ)」のことです。特徴としては着丈が長くフードがついたボリュームのあるシルエット、裏地やフード周りにファーがついており防寒性に富んでいる点、フロントは風を通さないように比翼仕立てになっている点などが挙げられます。かなりカジュアル色の強いコートです。定番カラーはオリーブグリーンです。
着用季節:
春・秋・冬
おすすめブランド:
LITHIUM HOMME
HERNO
M-65
参考)CAMBIO
モッズコート同様、米軍が採用した野戦用ジャケットです。1965年に正式採用されたことから、下2ケタを取ってM-65フィールドジャケットと呼ばれています。ディテールとしてはナイロン混紡素材、スタンドカラー、袖口のベルクロなどの仕様が特徴として挙げられます。
こちらもかなりカジュアル色の強いコートです。定番カラーはオリーブグリーン、ウッドランドパターン、デザートパターンです。
着用季節:
春・秋・冬
おすすめブランド:
アルファ インダストリーズ
wjk
キルティングコート
参考)SHIPS
キルティングコートとは、中綿が入ってキルティング加工されたコートのことです。英国ではハンティング、乗馬用として愛用されており、日本に伝わったのは1990年代のはじめ頃です。
キルティングのステッチには縦・横の格子や縦ラインのみなど色々とありますが、代表的なものとしてひし形模様のダイヤモンドステッチが挙げられます。上品なシルエットにも関わらず機能的なため、カジュアルだけではなくビジネスの場でも着用でき人気です。
着用季節:
春/秋/冬
おすすめブランド:
ラベンハム
マッキントッシュ
ダウンコート
参考)BUYMA
ダウンコートとは、ダウンフェザーを詰め物として使った、ジャンパー・スタイルの防寒着です。ダウンジャケットは1936年にエディー・バウアーが自身の趣味とする釣りの防寒着として開発したのがはじまりと言われています。軽く保温性にも優れている点が特徴として挙げられます。スポーティな印象が強い一方で、最近ではビジネスでも着用できるスタイルのものが増えてきました。
着用季節:
秋・冬
おすすめブランド:
モンクレール
デュベティカ
コート選びのコツ
コートを選ぶ上で、注意すべきポイントがいくつかあります。確認していきましょう。
季節に合わせる
コートを選ぶ上でまず必要になるのが季節感です。それぞれのコートに合った季節を見極めて、注意して着るようにしましょう。例えば、春先には分厚目のダウンより薄手のトレンチコートの方が合っていたり、逆に真冬には薄手のステンカラーコートよりも厚手のダッフルコートの方が合っていると言えるでしょう。
TPOに合わせる
次に重要となるのがTPOに合わせるという点でしょう。カジュアルに着れるダウンコートをフォーマルの場で着用することは不適切ですし、逆にドレッシーなポロコートを野外キャンプの場で着ることも不適切です。目安としまして、フォーマルとカジュアル、それぞれの場でのオススメのコートの種類について、以下のように分類できます。
フォーマルでオススメのコートの種類:
・ ステンカラーコート
・ チェスターコート
・ トレンチコート
・ ポロコート
・ キルティングコート
カジュアルでオススメのコートの種類:
・ ピーコート
・ ダッフルコート
・ モッズコート
・ M-65
・ ダウンコート
シルエット(Aライン/Iライン/Yライン/Oライン)を活かす
シルエットをつくることによって、スタイルをよく見せることができ、おしゃれに見せることができるようになります。メンズのシルエットには大きく4種類(Iライン、Aライン、Yライン、Oライン)あります。ご自身の体型を活かしつつ、演出したい自身の見せ方を意識的に表現するようにしましょう。
Iライン・・・上下細身
最も大人っぽく見えるシルエットです。上下ともに細身で揃え、スタイルがよく見えるのが特徴です。コートはタイトなチェスターコート、パンツはスキニーなどで揃えれば、簡単につくることができます。
ただし体のラインが最も出やすいシルエットのため、ガッチリ体型や太めの方にはあまりオススメしません。
Aライン・・・下半身にボリュームを出す
上半身は細身ないしはジャストサイズのアイテムを使い、下半身は太めのアイテムをつかうことで作られるのが、Aラインです。Iラインに比べると、カジュアルな印象を受けます。そのため子どもっぽいアイテムを使用すると特にダサい印象を与えてしまうため、注意が必要です。
またお腹周りにお肉があると上半身のボリュームを抑えることができず、上手くAラインをつくることができません。注意しましょう。
Yライン・・・上半身にボリュームを出す
上半身は大きめのアイテムを使い、下半身はタイトなアイテムを使うことで作られるのが、Yラインです。お腹周りを隠すことができるため、上半身が太めの方にオススメなのがこのラインです。
ただしIラインと同様、パンツはスキニーが中心となるため下半身がかっちりしている方、お肉がついている方にはあまりオススメできません。
Oライン・・・上下にボリュームを出す
上半身と下半身にボリュームを出したシルエットで、卵のように丸いラインをOラインと言
います。いわゆるゆるコーデとも言えるでしょう。テーパードパンツなどを用いて足首の細さを強調することで、簡単にきれいなOラインをつくることができます。どんな体型の方でもおしゃれに見えるのがこのOラインと言えるでしょう。
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まとめ
様々な視点からコートについての理解を深めていきましたが、如何だったでしょうか?どのような場で、どういった自分を演出したいのかという点を整理した上で、理想のコートについてイメージしてみると良いでしょう。自分のお気に入りの一着をぜひ見つけてください!
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