名刺交換の仕方は絶対に教わりますが、書類の渡し方はなかなか教わる機会がありません。そもそも「書類の渡し方にマナーなんてあるの?」と思う人もいるくらいです。普段意識する人も少ないので、書類の渡し方が原因で人をイライラさせてしまうことは、実は日常茶飯事なのです。
例えば、会社の部下が書類を提出する際に、デスクに投げるように渡されたらどうでしょうか。このような事例は、渡している側に悪意はないのに対し、受け取り側は不快な気持ちになります。上司のストレスだけが溜まってトラブルに発展・・・なんてこともあります。
正しい書類の渡し方を身につけておくことは、気づかぬところで人に迷惑をかけることをせず、人間関係に悩むことも減ります。
今回はこの当たり前過ぎて意外と知らない、「書類の渡し方やマナー」について紹介していきます。
正しい書類の渡し方の基本とマナー
書類の渡し方で注意をすることは、相手に不快感を与えないようにすることです。例えば、片手で書類を渡された時の印象を思い浮かべて見てください。片手で書類を渡すと、受け取る側は軽視されているような印象を抱きます。一見当たり前だと思いますが、無意識な状態では意外とできていない人がほとんどです。
デキる人は身につけている「書類の渡し方の基本とマナー」を学びましょう。
渡し方の3つの基本
書類の渡し方は、次の3つのポイントが基本です。
- 胸の高さで持つ
- 相手に向ける
- 両手で渡す
この3つを実践することで、書類を渡す際に好印象を与えることができます。
渡し方のマナー
基本をおさえたら次はマナーです。気をつけておきたいマナーもポイントは3点あります。
- 書類の向きを読みやすい向きに統一する
- 着席した状態で渡さずに起立する
- 渡す時に一言添える
渡し方だけでなく、マナーはちょっとした気遣いです。書類の渡し方についても同様で、書類の向きや順番等を揃えて渡したり、「こちらが本日の資料です」等の一言添えるだけで、あなたの印象はグッと変わります。
こんな渡し方は要注意!
冒頭でも例を出しましたが、渡し方が原因となって職場や取引先との人間関係が悪化することがあります。特にビジネスライフでは、知らないところで相手をイライラさせてしまいます。そこで、よくある渡し方問題について紹介します。
渡し方でイライラ(社内編)
会社の中では書類のやり取りが必ず発生します。個人宛の郵便物や請求書、回覧物等が社内で回ってきます。そのちょっとしたやり取りの中で、知らず知らずの内にイライラさせてしまうことがあります。例えばこのような事例です。
- 机越しに書類を渡す
- 相手に机に落とすように渡す
- 無言で渡す
- 相手が見た時に逆向きで渡す
普段の行動で無意識にしてしまっていることはありませんか?状況によってはやむを得ないこともあるかと思います。そんな時も気遣いを忘れてはいけません。
どうしても机越しに書類を渡さなければいけない時は、「前から失礼します」等と一言添えることで、相手も不快な思いをすることはありません。その他、忙しさのあまりイライラしている上司や職場の人に話しかけにくいこともあります。そのような時は「お忙しいところ恐れ入ります」といったクッション言葉を添えて話しかけると良いです。クッション言葉は心理的な負担を軽くすることのできる言葉です。
《参考》印象アップ!クッション言葉でコミュニケーションを円滑に
難しいことを考えずに、常に相手のことを考えて一言コミュニケーションをとることで、相手のイライラは解消されるのです。
渡し方でイライラ(社外編)
社外での渡し方でよくあるイライラに最も多いのは「名刺の渡し方」です。
名刺を渡す際の気をつけることは良く聞きますが、細かい注意点はなかなか聞かないことが多いです。そこで、思わぬところで発生するイライラを紹介します。
- 相手の名刺の名前やロゴの上に指を置いてしまう
- 相手が先に名刺を出した際に、「先に頂いて申し訳ありません」と言ってしまう
- 受け取った名刺にその場でメモを書き込んでしまう
上記の注意点は、研修でもなかなか教わらない内容です。名刺交換は「名刺の高さ」や「受け取り方」等にフォーカスしがちですが、ベテラン社員ほど細かいマナーを守れていないのが現状です。せっかく知り合ったお客様に初対面でガッカリされないよう、気をつけましょう。
こんなときはどうすればいい?
書類の渡し方の基本やマナーを紹介しましたが、実際の現場では例外にぶち当たります。基本ルールだけでは判断に悩んでしまう事例を紹介します。
コピーしたものと原本を渡す時
コピーしたものとコピーの原本を同時に渡すときは、原本かコピーかがわかるように渡すことが望ましいです。原本とコピーを重ねて渡す際に、一言「下が原本です。」と添えれば、基本通りの渡し方で問題ありません。
電話中の上司へ渡す時や忙しそうにしている時等は、机のわかりやすい箇所に置くことも良いです。その時の注意点としてピッタリ重ねない、ということに注意しましょう。時間に余裕があるようでしたら、付箋をつけたりしてわかりやすくすると親切です。
封筒書類を手渡しする時
封筒書類の渡し方は悩む方も多いのではないでしょうか?封筒書類は、封筒から書類を出して渡すことが基本です。これは知っている人は多いと思いますが、では封筒はどうすべきでしょう?封筒と一緒に渡すべきでしょうか?封筒は渡さずに書類だけを渡すべきでしょうか?
正解は特にありません。悩むようでしたら封筒を下にして、書類と一緒に渡しましょう。相手が不要だと思えば返却されます。「封筒で悩んでしまい、慌てて片手で書類を渡す」という方がよっぽど失礼ですので、ご注意ください。
面接での履歴書の渡し方
履歴書は封筒書類に入れて持参することがマナーです。特に履歴書はあなたの学歴や経歴等を証明する個人情報が記載された重要な書類です。その重要な書類が折れたり汚れたりしていると、採用担当者はマイナスな印象を抱きます。渡し方の前の注意点として、心得ておきましょう。
さて、渡し方についてですが、基本は前述の渡し方と同じです。気をつけることは、採用担当が履歴書の提出を求められた際に渡すことです。企業によってまちまちですので、提出を求められるまでは、カバンの出しやすい箇所にしまっておきましょう。
受け取り側のマナー
ここまで渡し方についてフォーカスしてきましたが、受け取る際にも気をつけるべきことがあります。たまに片手でバシッと受け取る人がいますよね。そのような乱暴な受け取り方をされると気分が悪いものです。受け取る側も最低限のマナーを心得ておきましょう。
受け取る側の注意点も渡し方と同じです。
- 両手で受け取る
- 着席した状態で受け取らずに起立する
- 受け取る時に一言添える
また、受け取った書類を紛失してしまうことも相手に失礼です。できれば紛失しないように注意しておきたいですが、実際に紛失してしまった際はどうしようもありません。そのような時の対処法を予め知っておくことで、万が一の時に慌てずに対処できます。
受け取った書類を紛失した時の対処法
書類紛失の対処法については、重要書類か・そうでないか、によって対応が異なります。
重要書類の場合
書類の重要度合いによっても変わりますが、社外秘資料や顧客情報等の特に重要な書類であれば、すぐに上司に報告しましょう。個人情報の流出や社外秘資料の流出は、個人の責任ではなくなり、会社の信用の問題や情報流出による大きな損害につながるリスクがあります。「いつか見つかる」という甘い期待は持たずに、些細なことでもすぐに報告しましょう。報告をすることで、会社全体でリスクの対策を練ることができます。一人では抱え込まないようにしましょう。
重要でない書類の場合
そこまで重要ではなく捜索をする場合は、紛失をしたと思われるタイミングや場所を思い返しましょう。最後に確認をした日がいつなのかを把握し、その後の行動を見返すと当時の行動を振り返ることができますので、心当たりのある場所が限定されます。「いつ」「どこで」無くしたのかがわかれば、闇雲に探すより効率的です。
書類の紛失を防ぐコツ
書類の紛失する原因で最も多いのは、「オフィスから持ち出した」です。首都圏だと電車通勤が当たり前ですので、「電車に置き忘れた」という経験のある方も少なくありません。オフィスから持ち出すことで、紛失の確率は高くなる傾向があります。持ち出す理由として多いのが、「保管場所がない」という理由です。個人管理になると「机の上や引き出しがいっぱい」なんてことも多いので、まずは身の周りの整理を行いましょう。整理整頓のヒントはこの書籍がおすすめです。
整理したところで紛失を防ぐコツです!それは「人がわかるルールを設ける」ことです。「自分しかわからない」という状況が紛失に繋がりますので、誰に見られてもどこに何があるのかわかるようにルールを決めておくと、紛失を防ぐだけでなく業務効率も上がります。なんだかとってもスマートな気分を味わえます。是非お試しください。
まとめ
書類の渡し方のマナーは、言われてみれば当たり前のことが多いです。ちょっとした気遣いでできることですので、相手を気遣う心を持ちましょう。
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