突然ですが、あなたが知っているクレーム対応のマナーは本当に正しいと言い切れるでしょうか?
社会人を悩ませる大きな要因の一つがクレーム対応です。頻度は違うものの実際にクレーム対応の機会に直面したことがある人も多いのではないでしょうか?対応を間違えれば火に油を注ぐ結果となってしまうため、適切な対応が求められます。
今回はそんなクレーム対応のマナーについてまとめてみました。
必ず覚えておきたいクレーム対応のマナー5つ
最初に、クレーム対応を行う上で必ず覚えておきたい5つのマナーを紹介します。それぞれクレーム対応をスムーズに行うための大事なポイントとなりますので、覚えておきましょう。
クレームの原因を把握する
クレーム対応をするうえで、最初に行うべきことは原因を把握することです。何故クレームになったのかを把握していない人間が終始謝罪の言葉を述べたところで、相手に誠意は伝わりません。
最初のタイミングでお客様が求めているのは謝罪の言葉ではなく、「何故自分がクレームを入れたか、しっかりと理解してくれる人間」です。まずはお客様の言葉に耳を傾け、クレームの原因を把握しましょう。
情報伝達のポイントである5W1H 「いつ(When)、どこで(Where)、だれが(Who)、なにを(What)、なぜ(Why)、どのように(How)」を的確にヒアリング出来れば、原因を把握できます。相手がヒートアップしている状況では5W1H を上手くヒアリング出来ないことも考えられますので、必ず手元にはメモ等を用意し、自分で要点をかいつまんでまとめられるようにしておきましょう。
相手の主張をよく聞く
原因を把握できた後は相手の主張に耳を傾けます。「クレームの原因そのものに怒っているのか」「その後のスタッフの対応に怒っているのか」「前にも同じようなことがあったのか」等、同じことが原因でも人が憤る理由は多種多様です。
相手の主張をよく聞くことで、「何に対し謝罪しなければいけないのか」「今後どう体制を見直していかなければいけないのか」が見えてきます。特に大事なポイントとなるので、しっかりと覚えておきましょう。
相手の立場になって考える
クレーム対応のマナーで求められるのは、自分が正しいと思う意見を主張することではなく、相手の気持ちを理解し、同調することです。相手の立場になって物事を考えれば、自然な相槌を打つことが出来ますし、「この人は話が通じる人だ」と相手に思ってもらうことが出来ます。
また、相槌は怒りを受け止めるクッションの様なものです。
相槌の例
「おっしゃる通りです。」
「そうですよね。」
「大変失礼いたしました。」
ただ「申し訳ございません。」と繰り返すだけでは逆効果になる事もありますので、適切なタイミングで適切な相槌を打てるようにしましょう。
解決策を提示する
解決策を提示するうえで大事なことは、「最短での対応を約束すること」と、「最大限の誠意を見せること」です。
最短での対応の約束についてですが、「本日の〇時までに上長に確認し、再度ご連絡させていただきます。」「明日の午前中までにスタッフがお伺いし、ご対応させていただきます。」等、次回の対応期日を具体的に取り決めることが重要です。もちろん対応期日については早ければ早い方が良いです。即日での対応、遅くても翌日までの対応を約束するべきです。
また、解決策を提示する際には最大限の誠意を見せることが大切です。
例えば、壊れた商品の交換を求められた場合でも、会社のルール上、商品を取り換えることが難しいことがあります。
そんな時は、「壊れた部分のみ交換することが可能か」「似た性能の商品を提供することは可能か」等、代替案を模索します。
出来ませんではなく、お客様のために出来ることを提示することが誠意です。数あるクレーム対応のマナーでも重要項目と言えますので、常に心掛けておきましょう。
クレームに対して感謝する
クレーム対応が一通り終わった後は必ず最後にお礼を言うべきです。
クレームは業務改善のチャンスです。また、相手にその場での対応のみではなく今後一層良いサービスを提供するという姿勢を見せるチャンスでもあります。
上記の様な形で終われれば、最高な対応と言えますね!
すぐ謝罪は正しい?間違い?
まず謝罪をすることは、正しい対応と言えます。
前述した通り、クレームの原因を最初に把握することはとても大事な事ですが、クレームが来る時点でお客様が不快な思いをしたことは紛れもない事実です。とりあえず謝るのではなく、不快な思いをさせてしまったことにまずお詫びをしましょう。
謝罪の言葉はクレームをいただいたからすぐ述べるのが適切です。
下記に例を記載します。
謝罪の例
自分「お客様、この度はご不快な思いをさせてしまい、誠に申し訳ございません。お時間をいただく形になり大変恐縮ですが詳細を私がお伺い出来ればと思います。」
具体的な内容のヒアリングはこの後で行うのがクレーム対応のマナーです。
クレーム対応は特に初回のやり取りが重要となりますので、極力悪い印象を与えないのが望ましいです。
その他クレーム対応中に避けるべきこと
冒頭で記載した通り、クレーム対応は1つ対応を間違えれば火に油を注ぐ結果となってしまうため、とても慎重に対応する必要があります。
特にやってはいけないNG事項についても記載してみました。
相手の主張を聞き終えるまで言葉を挟まない
ヒートアップしている相手の話の腰を途中で折ってしまうことは、余計に事を荒立てることになりかねません。
一通り相手の主張を聞き終わるまでは、適切な相槌のみ打つことにしましょう。主張を全部吐き出したあとは、相手も話を聞けるぐらいにクールダウンしているはずなので、その時に要点をまとめ確認したり、質問をしたりするようにしましょう。
一人で処理できないクレームは責任者に相談する
クレームの勢いに負けて、出来もしない対応を約束することは絶対NGです。相手にとっても企業にとっても最悪な対応と言えます。自分で対応出来ないと感じたら相手を待たせる形になっても、すぐに責任者に相談しましょう。これは逃避ではなく、適切な対応をするためにとても大切な事です。
保留の時間の目途は30秒から1分と言われていますので、社内で再度確認が必要な場合は折り返しのお電話での対応が適切です。自分の判断では対応できないことと謝罪の言葉をお伝えし、確認の時間を確保しましょう。
回答の例
この場合でも最短での対応を約束することが大事です。
知っておくと便利
次に知っておくと便利な知識を紹介していきます。
クレーム対応において役立つ知識なので、しっかりと身に着け、マナーのある人間だと思われることが重要です。
返金を求められたときの対応方法
返金対応はあくまで最終手段といえます。また、返金対応を許可出来る権限を持っている人は立場の上の人になると思うので、要求されても、自分に権限が無い場合即答は避けるようにしましょう。
回答の例
例のごとく最短での対応を約束するようにしましょう。
謝罪に伺うときのマナー
男性でも女性でもスーツで相手方に伺うようにしましょう。リクルートスーツの様な主張の無いスーツが適しています。
謝罪の場では服装のアピールは何一ついりません。相手に浮ついた印象や不快感を与える可能性のある身だしなみは避けるべきです。
NG例
派手なネイル
明るすぎる髪
主張の強いアクセサリー
控えめな服装で伺うのがマナーです。
お詫びの品は必要?
お詫びの品は謝罪のオプションと考えるべきです。持っていけば相手の怒りが少しでも収まると考えているのであれば、それは間違いです。「ほんの気持ちですが、納めていただければ幸いでございます。」という心構えでいましょう。
菓子折り選びについてですが、5,000円~10,000円程度の品が良いとされています。安すぎても誠意が伝わりませんし、高すぎても物でごまかそうとしていると思われてしまいます。
また、冷蔵庫や冷凍庫で必ず保管しておかなければいけない品物も、余計に相手を気遣わせてしまうためNGとされています。そのため羊羹やゼリー、カステラ等がお詫びの品として適していると言えます。 (とらやの羊羹や福砂屋のカステラ等が有名です。)
ただし、コンビニでバラ売りしているような品を買うのはNGです。老舗のお店で外箱付きの品を買うのがマナーなので必ず覚えておいてください。
お詫びの品を渡すタイミングですが、謝罪を受け入れられたタイミングで渡すべきです。目的はあくまで謝罪なので、優先順位を間違えてはいけません。最初に渡すと勘違いしている人も多いので、間違えないようにしてください。
職場で出来るストレス解消方法!
クレーム対応を受けた場合、個人差はあるもののストレスを感じる人が多いと思います。そんな時は、職場で出来るストレス解消方法を身に着けておきましょう!
肩甲骨体操
- 直立の状態で、肩甲骨を引き寄せて5秒間キープします。
- 肩甲骨をゆるめます
1と2を交互に3セット行えば、血の巡りも良くなり心身ともにリラックスが出来ます。
腹式呼吸
- 鼻から深く空気を吸います。
- 臍の下の丹田に空気をとどめておきます。
- 長く細い息を口からゆっくりしましょう。
イメージは体の中の害のあるもの全て吐き出すイメージです。リラックスできる呼吸法を身に着けておくとストレス解消だけではなく、緊張をほぐす場面などでも使えるので、とても便利です。
職場に置けるストレス解消グッズ
小さめのボール型の商品なので力を入れやすい形をした商品です。見た目もごつごつしていないため、デスクの上に置いてあっても違和感なしです。「ストレス解消」「手のひらのマッサージ」「握力強化」など様々な効果が期待できます。
まとめ
クレーム対応に苦手意識を持っている人が多いと思いますが、クレーム対応は要点を押さえ、誠心誠意対応すれば、解決出来ます。
あなたのクレーム対応によっては、またお客様がサービスを利用してくれるかもしれません。
お客様の指摘によってはあなたの会社の業務が改善されるかもしれません。
苦手意識だけではなく、クレーム対応をチャンスと捉え接することで、あなたの対応が1つ1つ変わってくるはずです。
しっかりとしたクレーム対応のマナーを覚えて、最高のクレーム対応が出来れば良いですね!
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